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天狐あやかし秘譚
第66章 奸智術数(かんちじゅっすう)
『同行者』はそろそろそっちに到着するはずだ。
名を『京本』と言う。
天狐ダリは必ずそいつの視界から外れるな。
妙な術を使えばすぐ分かるようになっている。
ないとは思うが、京本を殺せば、こっちもそれ相応の報復をする。

京本の五感はすべてこちらでモニターしている。
逃れられると思うなよ?

ルールは分かったな?
それじゃあ、ゲームスタートだ

Kadamasi
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ちなみにメールには音声ファイルが添付されていた。ウィルス等がないことを確認したうえで再生した所、野太い男の声で『さがしものはなんですか〜♪』と歌う様子が記録されているだけだった。

それを聞き終わったところで、どんどん、と執務室の戸を叩く音がした。
入ってきたのは祓衆付きの陰陽生のひとりだった。

「土御門様、皇居入口に『京本』と名乗る男が来ていると連絡が入りました」

その言葉を聞き、ダリが目を細めた。
その姿はすでに、人間のそれになっていた。
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