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天狐あやかし秘譚
第127章 有為転変(ういてんぺん)
「いつの間にか・・・入れ替わってたのか・・・」
そう、先程ダリが放った閃光。あれにより実際は2つの作戦が同時に進行していたのだ。ひとつは閃光そのもので辺津鏡の効果を遮断すること。そして、もうひとつが術者の目が届かぬ内に綾音を再び未架神と入れ替えること。
「綾音さんを先に狙うのは分かっていましたから」
未架神の横に立つ御池がキヌギヌに向かって言った。
実際のところ、もし御池を先に狙われたら、もし二人同時に心を覗かれたら、この作戦ごと見抜かれる危険性があった。しかし、もし辺津鏡の巫女がわざわざ近くまで寄ってくるのであれば、その視野はさほど広くないだろうこと、そして、敵は綾音を先に狙うだろうことに賭けたのだった。
「そして、案の定、未架神を操ることもできませんでした」
未架神は御池家に1000年以上前から伝わる正真正銘の『神』に端を発する式神。その発祥は烏丸の『いちごんさん』に負けずとも劣らぬほど古い。ダリの心を見通せないなら、未架神が操られる可能性もないと踏んだのだ。
「未架神の心を覗いて驚いたのでしょうか・・・自らボロを出してくれたのは、嬉しい誤算でした」
未架神の精神に触れたキヌギヌが、期せずして自らの居場所を漏らしたことで、土門が夜魂蝶でその身を包むことに成功したのだ。
実際、夜魂蝶による辺津鏡の妨害は第三の策・・・最後の手段として用意されていたのだった。
辺津鏡がどのような原理で人を操るかがわからない以上、多層的な策を用意せざるを得なかったわけだが、中でも夜魂蝶を用いる方法が最も有力視されていた。
夜魂蝶は術者の呪力の収束を妨害することができる。よって大多数の呪術をその発動ごと抑えこむことができるのだ。ただし、欠点もある。十分な妨害効果を発揮するためにはかなりたくさんの夜魂蝶を用意しなければならないこと、そして、それだけの蝶を当たりに展開するためには、それなりの時間の隙を作る必要があるのだ。
そう、先程ダリが放った閃光。あれにより実際は2つの作戦が同時に進行していたのだ。ひとつは閃光そのもので辺津鏡の効果を遮断すること。そして、もうひとつが術者の目が届かぬ内に綾音を再び未架神と入れ替えること。
「綾音さんを先に狙うのは分かっていましたから」
未架神の横に立つ御池がキヌギヌに向かって言った。
実際のところ、もし御池を先に狙われたら、もし二人同時に心を覗かれたら、この作戦ごと見抜かれる危険性があった。しかし、もし辺津鏡の巫女がわざわざ近くまで寄ってくるのであれば、その視野はさほど広くないだろうこと、そして、敵は綾音を先に狙うだろうことに賭けたのだった。
「そして、案の定、未架神を操ることもできませんでした」
未架神は御池家に1000年以上前から伝わる正真正銘の『神』に端を発する式神。その発祥は烏丸の『いちごんさん』に負けずとも劣らぬほど古い。ダリの心を見通せないなら、未架神が操られる可能性もないと踏んだのだ。
「未架神の心を覗いて驚いたのでしょうか・・・自らボロを出してくれたのは、嬉しい誤算でした」
未架神の精神に触れたキヌギヌが、期せずして自らの居場所を漏らしたことで、土門が夜魂蝶でその身を包むことに成功したのだ。
実際、夜魂蝶による辺津鏡の妨害は第三の策・・・最後の手段として用意されていたのだった。
辺津鏡がどのような原理で人を操るかがわからない以上、多層的な策を用意せざるを得なかったわけだが、中でも夜魂蝶を用いる方法が最も有力視されていた。
夜魂蝶は術者の呪力の収束を妨害することができる。よって大多数の呪術をその発動ごと抑えこむことができるのだ。ただし、欠点もある。十分な妨害効果を発揮するためにはかなりたくさんの夜魂蝶を用意しなければならないこと、そして、それだけの蝶を当たりに展開するためには、それなりの時間の隙を作る必要があるのだ。

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