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天狐あやかし秘譚
第125章 危機一髪(ききいっぱつ)
☆☆☆
その日から、どういうわけか緋紅様は私ではなく、水有を夜伽に選び続けた。3日たち、4日経ってもなおそれは続いたのだった。
水有は大喜びだった。次の日の朝、閨から出てくる二人を迎える私は、時には眠れずに疲れ果ててることすらあったのに、水有は肌艶よく、弾けるような笑顔を緋紅様に向けていた。
5日目になって、私は怖くなった。
もしかして、あの夜、私がなにかとんでもない失態をしてしまったのではないかと考えた。もちろん緋紅様に直接聞くことも考えたが、それは憚られた。
緋紅様が、自分の判断に対してひとから意見されることを極端に嫌うことは、私達の間では周知の事実だったから。
一体、何がいけなかったのだろう。
思い出されたのは、あの言葉だった。
『将来・・・二人はどうなるんだろうね・・・』
この二人は誰だったんだろう。
緋紅様の将来に映る女性は一体誰?
6日目になり、7日が過ぎた時、私はすでに気も狂わんばかりになっていた。
毎夜のように何度も何度もオナニーをし、疲れ果ててから出ないと眠れなくなっていた。自分と同じ顔、同じ身体の水有が緋紅様と幸せな時を過ごしている・・・それを想像するだけで胸が引き裂かれるほど苦しくなった。
このまま、私は追放されてしまうのかもしれない。
とうとうそんな考えまで頭をよぎるようになってしまった。
7日経った次の日の昼のことだった。緋紅様が『屋敷』を留守にした。そういう時は私達も自由時間だ。殆どの場合、自室にいることが多いが、たまに外界に出ることもある。この時、水有は外に出ることを選んだ。
「昨日、緋紅様から『キヌギヌはいい匂いがする』って言っていただいたの!」
そんな事を言っていた。新しいシャンプーを買いに行く・・・そんな事を言っていた。
緋紅様・・・
もしかして、あの時、緋紅様への真っ直ぐな愛情を伝えないで、水有のことを思い出してしまったことがいけなかったのだろうか・・・。
『お前の愛情はその程度か・・・』そんなふうに失望させてしまったのだったらどうしよう。
緋紅様が『将来の二人』というときに思い浮かべていたのが、『私』ではなく、『水有』だったら・・・
その日から、どういうわけか緋紅様は私ではなく、水有を夜伽に選び続けた。3日たち、4日経ってもなおそれは続いたのだった。
水有は大喜びだった。次の日の朝、閨から出てくる二人を迎える私は、時には眠れずに疲れ果ててることすらあったのに、水有は肌艶よく、弾けるような笑顔を緋紅様に向けていた。
5日目になって、私は怖くなった。
もしかして、あの夜、私がなにかとんでもない失態をしてしまったのではないかと考えた。もちろん緋紅様に直接聞くことも考えたが、それは憚られた。
緋紅様が、自分の判断に対してひとから意見されることを極端に嫌うことは、私達の間では周知の事実だったから。
一体、何がいけなかったのだろう。
思い出されたのは、あの言葉だった。
『将来・・・二人はどうなるんだろうね・・・』
この二人は誰だったんだろう。
緋紅様の将来に映る女性は一体誰?
6日目になり、7日が過ぎた時、私はすでに気も狂わんばかりになっていた。
毎夜のように何度も何度もオナニーをし、疲れ果ててから出ないと眠れなくなっていた。自分と同じ顔、同じ身体の水有が緋紅様と幸せな時を過ごしている・・・それを想像するだけで胸が引き裂かれるほど苦しくなった。
このまま、私は追放されてしまうのかもしれない。
とうとうそんな考えまで頭をよぎるようになってしまった。
7日経った次の日の昼のことだった。緋紅様が『屋敷』を留守にした。そういう時は私達も自由時間だ。殆どの場合、自室にいることが多いが、たまに外界に出ることもある。この時、水有は外に出ることを選んだ。
「昨日、緋紅様から『キヌギヌはいい匂いがする』って言っていただいたの!」
そんな事を言っていた。新しいシャンプーを買いに行く・・・そんな事を言っていた。
緋紅様・・・
もしかして、あの時、緋紅様への真っ直ぐな愛情を伝えないで、水有のことを思い出してしまったことがいけなかったのだろうか・・・。
『お前の愛情はその程度か・・・』そんなふうに失望させてしまったのだったらどうしよう。
緋紅様が『将来の二人』というときに思い浮かべていたのが、『私』ではなく、『水有』だったら・・・

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