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天狐あやかし秘譚
第122章 神算鬼謀(しんさんきぼう)
☆☆☆
深夜。『屋敷』全体が息を潜めて寝静まった頃、私はひたひたと足音を忍ばせて緋紅様のいる奥の間を目指していた。

お尻にはもちろんプラグが入ったままだ。

足音を立ててはいけないという気持ちと、早く抱いてもらいたいという気持ちがないまぜになっている。ややもすると板の間の廊下に足を取られて転んでしまいそうになる。

逸る気持ちを押さえつつ、やっと奥の間に到着をした。

「緋紅様・・・」

そっと襖を開くと、緋紅様がいつものように上段の間にある座椅子に腰を下ろしていた。行灯の薄い明かりがチラチラと揺れ、彼の顔に深い陰影をつけていた。

「水無かい・・・入りなさい」
「はい」

そっと体を襖の隙間から滑り込ませ、ぴたりとそれを閉じる。瞬間、世界が私と緋紅様を中心に閉じていくような錯覚に陥る。

「こっちにおいで・・・水無」

招かれるままに膝下まで進む。するりと手が伸ばされ力強く手首を握られるとぐいと一息に引き寄せられた。

「きゃっ!」

小さな悲鳴が上がる。そのまま抱きしめられ、唇を奪われた。

ちゅくちゅく・・・ちゅく・・・

最初から深いキス。舌を絡めあい、唾液を交わらせるような官能的な口づけ。私はこのキスだけで足が震えるほど感じてしまっている自分に気づく。もしかしたら、いつの間にか唇すら性感帯として開かれてしまったのかと思うほどだった。

「んっ♡」

いつの間にかするするとお尻までおりてきた彼の手が、パジャマ越しにお尻に入り込んでいるプラグを押してくる。プラグの押し込まれる感覚がじわっとした気持ちよさを与えてくる。

「自分でもここをいじったのかい?」
尋ねられてドキンと心臓が跳ねてしまう。先程のお風呂場での痴態を思い出してしまったからだ。ぐぽぐぽと卑猥な音を立ててアナルプラグを出し入れしてはしたなく淫液を撒き散らしてイッてしまった自分の姿を・・・。

口では否定しようとした。でも、ドキドキと高鳴る心音が、すでにその問の答えを緋紅様に教えてしまっているのが分かり、観念する。

「はい・・・しました・・・」
ドキドキが止まらない。自分の一番恥ずかしいところを見られている、知られている。喋らされている。それは頭がくらくらするほどの興奮と・・・同時に快感を私に与えてきた。
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