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天狐あやかし秘譚
第121章 籠絡懐柔(ろうらくかいじゅう)
触れない!
これ・・・これって・・・

『僕も我慢するからね、水無も我慢するんだよ』

緋紅様の言葉がリフレインする。

我慢・・・がまん・・・しなくちゃ・・・

そう思うのだが、それとは裏腹に指は未練たらしくカリカリと貞操帯の金属板をひっかき続ける。もどかしい刺激で頭がどうにかなってしまいそうだ。

はあ・・・はあ・・・うっ・・・ん・・・あっ・・・はあ・・・

吐息が熱くなる。胸がムズムズする。おっぱいだけでイカされたことを思い出して思わず胸に手が伸びそうになるのを必死に堪える。

こ・・・これ・・・これっ!!

緋紅様は私がこんなふうになってしまうのを予想していたのだろうか?いやそんな訳はない。私すら、自分がこんなふうになることを知らなかったのだから・・・

少し眠っては目覚めてしまい、目覚めてはもぞもぞと身体をうごめかし、熱病に浮かされたような淫靡な吐息を撒き散らしながら、私はだいぶ睡眠不足のまま朝を迎えることになった。

朝になると是永が貞操帯を外すからと言ってきた。その奥がどうなっているのか、想像に固くなかった私は一瞬躊躇したが、是永の『清潔になさいとの緋紅様の命令ですので』という言葉に大人しく従わざるをえなかった。

不審な目でこちらを見ている水有を尻目に、是永とバスルームに入る。パジャマの下を脱ぎ、ショーツを下ろした。貞操帯の全部にある金属板の鍵をカチリと是永が開けると、ぱらっと貞操帯が外れたのだが・・・

つーっ・・・

金属板と私の陰部の間にねっとりと糸を引くほどの濃密な愛液が絡みついていたのを私は視線の端で捉えてしまった。

是永はそれを見たのか見なかったのか、淡々と事務的に私の陰部にシャワーを当て、泡立てた石鹸でキレイにしてくれた。

まるで子どものような扱いに、若干戸惑いを覚える。

「さあ、水無様・・・こちらで用便をお済ませください」
見ると是永が高さのない便器のようなものを差し出してくる。

え、これって目の前で・・・?

戸惑いを隠せない私に対して、是永は確固たる口調でやはり言うのだった。
「こちらで朝の用便をお済ませになれば、清潔に過ごすことができますから。緋紅様のお申し付けでございます」
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