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天狐あやかし秘譚
第121章 籠絡懐柔(ろうらくかいじゅう)
☆☆☆
眠れない・・・

私は床の中で何度目かになるかわからない寝返りを打つ。常夜灯もない部屋の中だが、すっかり闇に慣れた目は周囲の家具などの輪郭をぼんやりと捉えていた。水有は相変わらず寝付きが良く、おやすみなさいの挨拶を交わしてものの5分もしない内に軽い寝息を立てていた。

そんな中、私は30分以上も悶々としている。

ここのところの私はどうだっただろう。この時間にはそっと寝床を抜け出して、閨で緋紅様にめちゃくちゃになるまで愛されていた。そして、身体も心もぐったりした状態で床についていたのだ。

その後は気絶するように眠って、気づいたら朝になっていた。

眠れないなんてことはなかった。

そんな事を考えたら、きゅうに胸の奥がスーッと冷たくなる。

「緋紅・・・様」
つぶやいた言葉に部屋に立ち込める闇は何も答えることはない。その事実が私を気持ちをなおさらかき乱していく。

緋紅様がゆったりと身体を抱きしめてくれて
その指は優しく胸のサイドを揉みしだき乳首を摘んでくる。
舌が耳たぶをなぞり、首筋にキスが降り、おへそが、脇腹が、ふとももが・・・
ゆるやかな愛撫で溶かされていく。

そっと鼠径部をなぞり、茂みをかき分けて、長くて少しゴツゴツとした指でアソコを・・・オマンコを・・・

心の中の緋紅様に愛されながら、私の手はすすっとパジャマの中に入り込んでいく。そのままショーツの中に指を這わせて・・・でも・・・

そこには無機質な金属の板を感じるばかりだ。
その上からいくら撫でようが擦ろうが、私の指は一番敏感なところに届くことはなかった。

最初は、え?と思うだけだった。
しかし、次第、次第に、心は高ぶっていくのに一向に身体を高ぶらせることができないことに苛立ちに似た焦りを感じ始める。

・・・どうして・・・どうしたら?・・・いや・・・そんな・・・

もぞもぞと太ももをこすり合わせてみる。そうすると少しだけオマンコに刺激がいく気がするが、そんなものでは当然、満足できるはずもない。
身体はムズムズするばかりで、心の方は普段、緋紅様からなされてきた数々の快楽攻めを思い出してしまう。乳首がビンビンと立ち、ナイトブラを押し上げるのを感じる。触ってあいはずのオマンコの奥からいやらしく匂い立つ女の蜜が溢れることすら感じているというのに・・・
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