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天狐あやかし秘譚
第121章 籠絡懐柔(ろうらくかいじゅう)
♡ーーーーー♡
【籠絡懐柔】甘い言葉や態度で相手を思い通りに手なずけ、従わせること。
よしよしして、ぐるーみんぐしちゃうぞ♪・・・みたいな。
♡ーーーーー♡
緋紅様に初めて深く愛されてから、私の世界は変わってしまった。
初めての交わりのあと、お風呂にもう一度入った私は、そっと水有の待つ寝室に戻った。体を離してもなお、私の肌には緋紅様に触れられた余韻が残っており、胎内にはたくさん愛された証であるかのように心地よい疼きが広がっていた。
頭の中では何度も、何度も、緋紅様が言った最後の言葉が反芻されていた。
『水無・・・明日も僕のところにくるんだ・・・いいね?』
・・・明日もまた、愛してくれる・・
それを考えると、私の気持ちはふわふわと雲の上まで登っていってしまうかのように感じられたのだった。
緋紅様が私の身体に刻み込んだ深い悦びの感覚は一晩経ってもなお、私の中に残り続けた。お腹の中に、まだ『彼』が入っているような感覚を覚えるたび、彼によって自分が「女」にされた⋯してもらえたということを強く自覚した。
この幸せな気持ちと比べれば、父との交わりはなんと空虚で刹那的なものだろうと改めて思った。確かに一時は快感を感じたが、決してこんなふうに満たされた感じにはならなかったからだ。父との交わりのあとは、決まって『あれは夢だったんだ』と自分に言い聞かせ、気持ちを外に向けようと努めていた。自分の中から忌まわしい感覚を追い出そうとしたのだ。
しかし、緋紅様とのそれは違った。むしろこの身に刻まれた快感の余韻を、暖かな熾火のように大事に大事に抱きしめている自分に気づく。
朝が来て、車に乗って学校に行き、授業を受け、昼休みになっても、まだ私の中には確かに『彼』が与えてくれた温かな性感がくすぶり続けていた。
だから、何をしてても身体の中の感覚へと注意が向いてしまう。
多分、私はだいぶぼんやりしてたのだろう。
何度か水有に『お姉ちゃん?大丈夫?』とか『話聞いてる?』等と言われる始末だった。
そして再び就寝時間がきて、またしても11時を回った頃、私はこっそりと布団から抜け出し、緋紅様のもとに足を運んだのである。
【籠絡懐柔】甘い言葉や態度で相手を思い通りに手なずけ、従わせること。
よしよしして、ぐるーみんぐしちゃうぞ♪・・・みたいな。
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緋紅様に初めて深く愛されてから、私の世界は変わってしまった。
初めての交わりのあと、お風呂にもう一度入った私は、そっと水有の待つ寝室に戻った。体を離してもなお、私の肌には緋紅様に触れられた余韻が残っており、胎内にはたくさん愛された証であるかのように心地よい疼きが広がっていた。
頭の中では何度も、何度も、緋紅様が言った最後の言葉が反芻されていた。
『水無・・・明日も僕のところにくるんだ・・・いいね?』
・・・明日もまた、愛してくれる・・
それを考えると、私の気持ちはふわふわと雲の上まで登っていってしまうかのように感じられたのだった。
緋紅様が私の身体に刻み込んだ深い悦びの感覚は一晩経ってもなお、私の中に残り続けた。お腹の中に、まだ『彼』が入っているような感覚を覚えるたび、彼によって自分が「女」にされた⋯してもらえたということを強く自覚した。
この幸せな気持ちと比べれば、父との交わりはなんと空虚で刹那的なものだろうと改めて思った。確かに一時は快感を感じたが、決してこんなふうに満たされた感じにはならなかったからだ。父との交わりのあとは、決まって『あれは夢だったんだ』と自分に言い聞かせ、気持ちを外に向けようと努めていた。自分の中から忌まわしい感覚を追い出そうとしたのだ。
しかし、緋紅様とのそれは違った。むしろこの身に刻まれた快感の余韻を、暖かな熾火のように大事に大事に抱きしめている自分に気づく。
朝が来て、車に乗って学校に行き、授業を受け、昼休みになっても、まだ私の中には確かに『彼』が与えてくれた温かな性感がくすぶり続けていた。
だから、何をしてても身体の中の感覚へと注意が向いてしまう。
多分、私はだいぶぼんやりしてたのだろう。
何度か水有に『お姉ちゃん?大丈夫?』とか『話聞いてる?』等と言われる始末だった。
そして再び就寝時間がきて、またしても11時を回った頃、私はこっそりと布団から抜け出し、緋紅様のもとに足を運んだのである。

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