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天狐あやかし秘譚
第120章 十網九罠(じゅうもうきゅうわ)
こんな不思議さがある中、それでも私たちの生活はゆっくりと軌道に乗り始めていた。
これは、そんなある日の緋紅との会話だ。
その詳細に行く前に、この家における私たちの夕食のことについて触れておく必要があるだろう。
夕食は大抵『ダイニング』と私たちが呼んでいる部屋で『従者』が用意してくれるものを食べることが多い。この時は結構広い大きなダイニングテーブルに、私たち二人だけで食事をしていた。
しかし、週に1〜2回位だが、緋紅と一緒に食べることもあった。その時は『パーティールーム』と水有が名付けた部屋で食べることになる。
和室ベースのこの『屋敷』の中で、『パーティルーム』は洋間の体裁をなしていた。20畳ほどの広間に天井からはシャンデリアが下がっており、床はふかふかのカーペットが敷き詰められていた。そして、片方の壁には高そうな絵画が飾られており、反対側に目を転じるとそこには庭園へと続くガラス戸と、柔らかな光を孕む雪見障子が設えてある。
そこに、重厚な木目調の長テーブルが据えられており、背もたれに細やかな彫刻が施された椅子が整然と並べられている。『パーティルーム』と水有が呼んだのは、いつかテレビで見た海外の貴賓を迎える晩餐会に使われていた部屋を彷彿とさせたからのようだった。
多分、20名くらいは一度に食事ができるだろうこの部屋で、私と水有、緋紅の三人だけで食事をするのはなんだか贅沢を通り越して、違和感すら覚えるほどだった。
ここで一緒に食事を取るときの緋紅はなんとなく機嫌が良さそうだった。その日もご多分に漏れず、彼はにこやかに私たちに話しかけてくれていた。
「学校に戻ってどうだい、二人とも」
『パーティルーム』での夕食は特別なもので、立派なコース料理であることがほとんどだった。ジャンルは和食の時もあればイタリアン、フレンチなどの時もある。そしてこの日はというと、昔の洋食屋さんで提供されているような、日本風にアレンジされた洋食のフルコースだった。
メインのビフテキはかなり上質な肉のようで、軽くナイフを当てるだけでふわっと切れてしまう。水有がニコニコしながら食べているのを見ていると、私まで幸せな気持ちになる。
これは、そんなある日の緋紅との会話だ。
その詳細に行く前に、この家における私たちの夕食のことについて触れておく必要があるだろう。
夕食は大抵『ダイニング』と私たちが呼んでいる部屋で『従者』が用意してくれるものを食べることが多い。この時は結構広い大きなダイニングテーブルに、私たち二人だけで食事をしていた。
しかし、週に1〜2回位だが、緋紅と一緒に食べることもあった。その時は『パーティールーム』と水有が名付けた部屋で食べることになる。
和室ベースのこの『屋敷』の中で、『パーティルーム』は洋間の体裁をなしていた。20畳ほどの広間に天井からはシャンデリアが下がっており、床はふかふかのカーペットが敷き詰められていた。そして、片方の壁には高そうな絵画が飾られており、反対側に目を転じるとそこには庭園へと続くガラス戸と、柔らかな光を孕む雪見障子が設えてある。
そこに、重厚な木目調の長テーブルが据えられており、背もたれに細やかな彫刻が施された椅子が整然と並べられている。『パーティルーム』と水有が呼んだのは、いつかテレビで見た海外の貴賓を迎える晩餐会に使われていた部屋を彷彿とさせたからのようだった。
多分、20名くらいは一度に食事ができるだろうこの部屋で、私と水有、緋紅の三人だけで食事をするのはなんだか贅沢を通り越して、違和感すら覚えるほどだった。
ここで一緒に食事を取るときの緋紅はなんとなく機嫌が良さそうだった。その日もご多分に漏れず、彼はにこやかに私たちに話しかけてくれていた。
「学校に戻ってどうだい、二人とも」
『パーティルーム』での夕食は特別なもので、立派なコース料理であることがほとんどだった。ジャンルは和食の時もあればイタリアン、フレンチなどの時もある。そしてこの日はというと、昔の洋食屋さんで提供されているような、日本風にアレンジされた洋食のフルコースだった。
メインのビフテキはかなり上質な肉のようで、軽くナイフを当てるだけでふわっと切れてしまう。水有がニコニコしながら食べているのを見ていると、私まで幸せな気持ちになる。

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