この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第119章 電光石火(でんこうせっか)
「私にも術をかけていたのね」
「おかげで助かったじゃない?」
「ずっと・・・そばにいたの?」
「当然よ」

悪びれもせずに彼女はそう言った。そうなのだ、彼女が言った『御九里と宝生前にお姉ちゃんの言うことを聞くようにさせた』というのは嘘だったのだ。彼女の辺津鏡のことは実は私にもわからないことがあるが、おそらく私と同じ制限がある。

それほど離れた人に対して効力を及ぼすことはできないのだ。

だから、水有はいつの間にか私にも辺津鏡の力を使い、私の感覚に強制的に死角を作り出し、そこに自分の身体や気配を隠してずっと潜んでいたのだ。

おそらく、先程の天狐との戦いの時もずっとそばにいたことになる。

私は頭にカッと血が昇るのを感じた。

「水有!あれほど戻っていなさいって言ったのに!」

天狐が死ぬ前に、奴の近くに水有がいたら、あの予言が現実となってしまうかもしれない・・・それが私にはとても恐ろしかったのだ。

だけど、そんな私の思いとは全く違う方向から彼女の反論の矢が飛んできた。

「ずるいよ!お姉ちゃん!ひとりで手柄を立てて、緋紅様の気を引こうとして!!」
「違っ・・・!」
「じゃあ、なんなのよ!なんでひとりでやろうとするの!?」
「それはっ・・・!!」

そこまで口走って、私はギュッと唇を噛んだ。

なんで・・・?
それを説明するためには、彼女に自分が沖津鏡で彼女の未来を視てしまったことを言わなければならない。沖津鏡が私たちにもたらした悲劇を知る水有にとって、それは受け入れがたいことだろうというのは想像に固くなかった。

「ほら、やっぱり言えないじゃない!・・・お姉ちゃんが抜け駆けしようとしているの、私、分かってるんだからね!」

椅子を引き出して水有が腰を掛ける。足を組んで、こちらを冷たい目で見つめてきた。

「天狐は明日までこないわ。来たらその男を殺すと言っておいたから。お姉ちゃんの沖津鏡と違って、私の辺津鏡は人を殺すなんて簡単なのよ。支配下においてただこう言えばいいの・・・『死になさい』って」
/1744ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ