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天狐あやかし秘譚
第119章 電光石火(でんこうせっか)
私も立ち上がり、椅子に座った。ひとつ息をついて、彼女を見る。
「お願い・・・水有、わかってほしい。明日、天狐が来たとき、どうかこの山にいないでほしいの・・・」
「なんで?」
「なんでもよ!」
ついに声を荒げてしまった。水有が少し肩をビクッとさせる。
多分、私が水有にこんなふうにいうのは初めてだからびっくりしたのだろうと思う。
「いやよ!これだけは譲れないわ。いつもいつも、双子だからってお姉ちゃんと半分こ、ニコイチでしかみられない。でも私は、私として緋紅様に愛されたいの!」
そのまますうっと姿を消す。
「待って!待って、水有!」
呼びかけるが、もはや答えはなかった。私の声だけが冷たいコンクリート打ちっぱなしの室内に、ただ虚しく響き続けるだけだった。
「お願い・・・水有、わかってほしい。明日、天狐が来たとき、どうかこの山にいないでほしいの・・・」
「なんで?」
「なんでもよ!」
ついに声を荒げてしまった。水有が少し肩をビクッとさせる。
多分、私が水有にこんなふうにいうのは初めてだからびっくりしたのだろうと思う。
「いやよ!これだけは譲れないわ。いつもいつも、双子だからってお姉ちゃんと半分こ、ニコイチでしかみられない。でも私は、私として緋紅様に愛されたいの!」
そのまますうっと姿を消す。
「待って!待って、水有!」
呼びかけるが、もはや答えはなかった。私の声だけが冷たいコンクリート打ちっぱなしの室内に、ただ虚しく響き続けるだけだった。

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