この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第119章 電光石火(でんこうせっか)
♡ーーーーー♡
【電光石火】非常に短い時間や、動きなどが極めて素早いこと。
雷のように速く、火花のように刹那に!みたいな。
♡ーーーーー♡

8月初旬の18時。暦の上では秋だというが、まだまだ日は長く、気温は高い。それでも鞍馬の山の中は少し陰った陽の光を木々が遮り、鬱蒼としていた。

ガサガサと音を立て、ひとつの影が疾風のように駆け抜けていく。
キラキラと輝くように美しい黒髪の合間から柔らかそうな狐の耳を覗かせ、平安時代の貴族が狩りのときに身につけていたと言われる鮮やかな濃紫の狩衣を身に着けている。軽やかに森を駆け抜けるたびに、フッさりとした尻尾が揺れていた。

天狐ダリ・・・神にも匹敵する力を持つ最強の大妖が風を切るように森を進んでいく。

彼が今目標にしているのは事前に頭に叩き込んだ、その昔、気象庁が設置した旧鞍馬山測候所跡。そこに囚われている陰陽師を救出し、そこにいる神宝使い『スクセ』から、神宝・沖津鏡を奪い取ることが彼に課された使命だった。

ざぁっと風を巻き上げ進む彼の目が、少しだけ細くなった。

『視られている』

凄まじい妖力を秘めているダリも、万能ではない。特に彼は探査や結界を破る術においては人のそれに及ばぬところがある。だが、そんな彼の感覚をしても、はっきりと分かるほどの『視線』が身に突き刺さっていた。

『ふっ』

それを感じてなお、彼は小さく笑っていた。敵が使うのは遠見をする沖津鏡。自らがこの地に招き入れたダリを見るのは当たり前のことだった。だが、『視る』だけだ。沖津鏡の真骨頂である『未来を確定する』ことは、力の差がありすぎるダリに対しては発動できない・・・。それが陰陽寮の出した結論だった。

なので、視線を感じながらも、そのまま進んでいく。視られようが視られまいが、やることは変わらないからだ。

間もなく、彼の行く手、森の中にひとりの女性が立っているのが見て取れた。
薄青色の上着に朱色の袴を身に着け、背中には古代鏡を麻紐でくくりつけていた。その細い腕に似合わない直剣を右手に持ったままだらりと垂らしている。その直剣からは通常の呪具とは比べ物にならないほどの力が立ち上っているのがダリの目に映った。

『ほう・・・あの女も複数の神宝を使うか』
/1744ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ