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天狐あやかし秘譚
第118章 一落千丈(いちらくせんじょう)
私たちにこの人に返せるものは何もない。
それなのに・・・どうして?そんな気持ちだった。
父のことがあって、私はとても疑り深くなっていたのだと思う。
そんな私の疑問を男性は柔らかく笑って受け流す。
「目の前に困っている知り合いがいる。
僕にはそれを助ける力がある・・・これ以外に助ける理由が必要かい?」
それに・・・と続けた。
「君たちのお父様に、私は助けられたから、その恩返しもあるんだよ」
水有はすっかりその気になっていた。私は必死に考えた。
でも、水有を学校に行かせられるなら・・・それは水有にとってとてもいいことのように思えた。
神内という男性が利用しようとしているのは、後見人制度ということだった。これは、養子みたいに恒常的な関係ではないとも説明された。
「わかりました・・・お願いします。
私は藤塚水無・・・こっちは妹の水有です。」
私は頭を下げる。水有も、私の横で、ぴょこっと頭を下げた。
男性が手を伸ばしてきた。水有がぎゅっとその手を握り握手をする。
ついで、私も。
男性はニコリと笑って、自身の名を告げた。
「これからよろしくね、水無ちゃん、水有ちゃん。
僕の名は緋紅・・・神内緋紅だよ」
それは、私たちの運命を大きく変える人との出会いだった。
それなのに・・・どうして?そんな気持ちだった。
父のことがあって、私はとても疑り深くなっていたのだと思う。
そんな私の疑問を男性は柔らかく笑って受け流す。
「目の前に困っている知り合いがいる。
僕にはそれを助ける力がある・・・これ以外に助ける理由が必要かい?」
それに・・・と続けた。
「君たちのお父様に、私は助けられたから、その恩返しもあるんだよ」
水有はすっかりその気になっていた。私は必死に考えた。
でも、水有を学校に行かせられるなら・・・それは水有にとってとてもいいことのように思えた。
神内という男性が利用しようとしているのは、後見人制度ということだった。これは、養子みたいに恒常的な関係ではないとも説明された。
「わかりました・・・お願いします。
私は藤塚水無・・・こっちは妹の水有です。」
私は頭を下げる。水有も、私の横で、ぴょこっと頭を下げた。
男性が手を伸ばしてきた。水有がぎゅっとその手を握り握手をする。
ついで、私も。
男性はニコリと笑って、自身の名を告げた。
「これからよろしくね、水無ちゃん、水有ちゃん。
僕の名は緋紅・・・神内緋紅だよ」
それは、私たちの運命を大きく変える人との出会いだった。

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