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天狐あやかし秘譚
第118章 一落千丈(いちらくせんじょう)
父がこちらを振り返った。全身に返り血を浴びて、炎に照らし出され、右手に血が滴る包丁を握りしめ、それでも笑ってこちらに手を差し伸べる・・・。
この上なく異常な姿の父が、幼い頃、学童に迎えに来て『家に帰ろう』と言っているかのような笑顔を見せる。そのとてつもなくアンバランスな光景が私の脳を焼き切った。
「きゃあああああああっ!!!」
叫び声が溢れる。肺の中の空気、全てを吐き出してもなお、私は叫び続けていた。父が迫ってくる。しかし、私の足は一歩たりとも身動きすることができなかった。
私の意識がもったのは、ここまでだった。
この上なく異常な姿の父が、幼い頃、学童に迎えに来て『家に帰ろう』と言っているかのような笑顔を見せる。そのとてつもなくアンバランスな光景が私の脳を焼き切った。
「きゃあああああああっ!!!」
叫び声が溢れる。肺の中の空気、全てを吐き出してもなお、私は叫び続けていた。父が迫ってくる。しかし、私の足は一歩たりとも身動きすることができなかった。
私の意識がもったのは、ここまでだった。

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