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天狐あやかし秘譚
第118章 一落千丈(いちらくせんじょう)
この言葉で、母は水有には何も言ってないらしいことが分かった。水有は私と父のことを知らない。ここに戻ってきた日の母のセリフも聞いてないんだ。そう考えると、水有からしたら『母が突然、家を出ると言い出した』ようにしか見えないことだろう。
「せっかくうまく、行きそうだったのに・・・」
水有の言葉が私の胸に突き刺さる。でも、顔に出すことは決してできなかった。
「どうなるんだろうね・・・これから」
布団を並べて眠る前、水有が漏らした。母が昼間、私たちの転校にも言及したらしい。水有にとってはせっかく新しいお友だちができた学校、それなりに一生懸命頑張って入って、奨学金枠も二人揃って手に入れた学校。
それをこんなあっさり・・・、そんな気持ちは私にもよく分かった。
これからどうなるのか・・・その問いに私は答えることができなかった。沈黙が続く中、しばらくすると水有の小さな寝息が聞こえてきたが、私は眠りにつくことができなかった。
古い家の天井。見慣れたはずのそれが、なぜか奇妙によそよそしく見える。早く寝ようと何度か寝返りを打つが、ここ数日、熱のせいで眠りすぎたからかもしれないが、一向に眠気は訪れなかった。
そうすると、必然的に頭を巡るのは、『どうしてこうなってしまったのか』ということばかりだ。
私があの鏡を覗いたせい?
私が父に本気で抵抗をしなかったせい?
せめてあのとき、母がいる場で父の誘いに乗るべきではなかった・・・
そんな思いだ。
ブブブッ
枕元においてあったスマホが震えた。ちらっと見ると時間はすでに午前1時を回っていた。
ラインだ・・・
こんな時間に一体誰?そう思って通知欄を引き下げてみると、それは父からのメッセージだった。
『水無、元気にしているか?』
そんなところから始まる。
『うん、風邪引いたみたいだけど、今は大丈夫』
そう送り返してみた。父が今どうしているのか、気になったのは事実だった。
父『今日、母さんから弁護士を通じて離婚請求が来たよ』
私『そうなんだ』
父『水無にはすまないことをした』
私『うん』
見えないけれども、なんとなく、父が画面の向こうで泣いているようなイメージが浮かぶ。
「せっかくうまく、行きそうだったのに・・・」
水有の言葉が私の胸に突き刺さる。でも、顔に出すことは決してできなかった。
「どうなるんだろうね・・・これから」
布団を並べて眠る前、水有が漏らした。母が昼間、私たちの転校にも言及したらしい。水有にとってはせっかく新しいお友だちができた学校、それなりに一生懸命頑張って入って、奨学金枠も二人揃って手に入れた学校。
それをこんなあっさり・・・、そんな気持ちは私にもよく分かった。
これからどうなるのか・・・その問いに私は答えることができなかった。沈黙が続く中、しばらくすると水有の小さな寝息が聞こえてきたが、私は眠りにつくことができなかった。
古い家の天井。見慣れたはずのそれが、なぜか奇妙によそよそしく見える。早く寝ようと何度か寝返りを打つが、ここ数日、熱のせいで眠りすぎたからかもしれないが、一向に眠気は訪れなかった。
そうすると、必然的に頭を巡るのは、『どうしてこうなってしまったのか』ということばかりだ。
私があの鏡を覗いたせい?
私が父に本気で抵抗をしなかったせい?
せめてあのとき、母がいる場で父の誘いに乗るべきではなかった・・・
そんな思いだ。
ブブブッ
枕元においてあったスマホが震えた。ちらっと見ると時間はすでに午前1時を回っていた。
ラインだ・・・
こんな時間に一体誰?そう思って通知欄を引き下げてみると、それは父からのメッセージだった。
『水無、元気にしているか?』
そんなところから始まる。
『うん、風邪引いたみたいだけど、今は大丈夫』
そう送り返してみた。父が今どうしているのか、気になったのは事実だった。
父『今日、母さんから弁護士を通じて離婚請求が来たよ』
私『そうなんだ』
父『水無にはすまないことをした』
私『うん』
見えないけれども、なんとなく、父が画面の向こうで泣いているようなイメージが浮かぶ。

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