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天狐あやかし秘譚
第118章 一落千丈(いちらくせんじょう)
ごめんなさいお母さん・・・お母さん・・・お母さん!
私、みんなのためと思っていたの・・・ごめんなさい・・・

心の中、必死に謝り続ける私の耳に、最後に母の叫び声が聞こえた。

それは、私の中に最後に残された『正気』を突き崩すのに、十分な言葉だった。

『・・・あ、水無があの人を寝取った・・・の!』

ひゅっ!

母の叫び声が聞こえた瞬間、世界が暗転した。

自然と息が詰まる。

瞳孔が収縮して、音が遠くなる。
そして、光を失った世界の中、じんじんと脳が危険信号を発し続けていた。
ついに数秒後、私の意識は耐えられなくなった。

私を圧迫してくる世界を前に、私の心はコトリと、音を立てて事切れてしまったのだ。
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