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天狐あやかし秘譚
第113章 第113章:【第22話 件】運否天賦(うんぷてんぷ)
☆☆☆

東京は千代田区、皇居の敷地内にある陰陽寮本庁の小会議室の扉を、私、浦原綾音はそっと開いて中を窺う。そこには楕円形の会議机が据えられており、一番奥に土御門、彼に向かって右手に瀬良、瀬良の正面には宝生前と御九里が座っていた。

どうやら私が最後のようだと悟り、一応『すいません』と小さくなりながら、そそくさと瀬良の隣に腰を掛けた。

土御門から緊急招集の電話があったのがつい3時間前だ。

突然、電話が鳴り、出てみたら、
『出張になるから5日分くらいの旅行の準備して早よ来て』
と言われてしまいびっくりしたわけだ。

ダリは準備が殆どいらないが、私はそうはいかない。
あっちこっち引っ掻き回して出張の準備を整え、馳せ参じたわけである。これでも急いだほうなのだ。

ちなみに、今回もお留守番の芝三郎と清香ちゃんの面倒は、私と入れ替わりに家に来てくれた敷島さんと、それから姿さんという私が初めて会う陰陽師が引き受けてくれた。

「揃ったようやな」

土御門がおもむろに口を開いた。手元資料としてA4用紙で数枚の文書が配られている。

「まあ、大体のことはそれに書かれとるから、移動しながらでも見といてほしいんやが・・・。ちょっと今回の件は得体の知れないところがあるということをまずは知ってほしい。」

土御門から、最近、京都で流行りの占い師によって占われた者の中に、京都支部の陰陽師1名を含む、少なくとも5名の人物が原因不明の死を遂げていること、及び、その占い師が地元メディアの取材中に日本の破滅を予言したということが語られた。

「原因不明・・・死因がわからないということですか?」
宝生前が疑問を投げかけた。
「いや、死因は分かっとる。わからんのは因果関係や。
 死んだもん全員が、そのSUKUSEとかいう占い師の占い通りの日時、死因で死んどる。」
「本当にこれ、呪術じゃねーの?」
今度は御九里だ。もう全てのレポートを読み終わったのか、ポイとテーブルに資料を投げ出していた。
「そのレポートにもあるように、京都支部の占部、祭部のチームが詳細に調べとる。呪いの痕跡は一切見つからなかった。」
その言葉を聞いて一同が再び黙り込む。
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