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天狐あやかし秘譚
第113章 第113章:【第22話 件】運否天賦(うんぷてんぷ)
レポートをじっくり眺めていた宝生前がここで再び口を開いた。
「例外はないのでしょうか?例えば、『死ぬ』と言われても死ななかった。もしくは占いどおりの死因ではなかった・・・というような?」
「確認されとらん。今のところ、百発百中や・・・」

それがもし本当だとしたら、その占い師に占われて、『死ぬ』と言われたら何が何でも絶対死ぬ・・・そういうことになる。

こ、怖すぎる・・・。
しかも、その占い師が日本の破滅を予言したのだ。
何もしなければ、本当にそうなってしまうかもしれないのだ。

土御門がいつになく真剣な面持ちなのがわかる気がした。

「要はコイツをぶっ倒せばいいってことだよな?」
御九里が極めて明快な回答を提出してくる。

「そこが難しいところやねんな」
「なんで!?だって・・・」
土御門の答えに御九里が若干声を強める。

「証拠がないから・・・ですよね?」
土御門が御九里に何かを言う前に、宝生前が落ち着いたトーンでポツリと言った。

「ああ・・・せや。呪ってる証拠がない。原理もわからん。
 めちゃめちゃ黒に近くても、『あなたの言ったとおりに人が死んだんで逮捕します』とはいかへんねん」
「んな・・・バカな」
「我々も法律のもとに動いていますからね・・・」
瀬良がポツリと言った言葉がすべてを表していた。

そうだよな・・・証拠ないと逮捕できないし、相手は人間だ。
調伏対象でもない。

あれ・・・?じゃあ・・・。

「えっと・・・それじゃあ、私たちの任務って?」
思ったことがそのまま口に出てしまった。

調伏でもない、逮捕でもないとしたら、私たちは一体何をするために呼ばれたのだろう?
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