この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第112章 報仇雪恨(ほうきゅうせっこん)
今、雷炮神器という呪具がある。
祭司としての色麻さんがいる・・・
あと、不足しているのは、
呪力を響き合わせ、増幅する・・・祭壇だ。
僕は、自身の中をできるだけ空っぽにする。
彼女の呪力を、思いを受け入れて、共鳴するための祭壇となる。
彼女の術式の展開は、状況に比してとてもゆっくりだった。
冥穴からは次々と死霊が溢れてきている。
しかし、彼女は焦ることはなかった。
その確固たる支えが、僕の心の中の恐慌と焦燥をじわりと溶かしていく。
『執法・収法・門法・推法・除法・散法・滅法・八部将軍・・・』
彼女の力のおかげかもしれない。先程までのダメージで見えにくかった目の焦点が合い始めた。吹き出す瘴気の中、冥穴の中心が僕の目にはっきりと写る。
そこをめがけ、心を無にして照星と照門を慎重に合わせていく。
ややもすると力が抜け、震えそうになる腕も、彼女の支えのおかげで保つことができていた。
『威光照見 その力持てここに降り立ちて・・・』
手が・・・あたたかい・・・
僕の身体の中心に、彼女の想いと力が流れ込み、響き合っていく。
『千の災い 万の邪を退けよ』
彼女が唱える最後の祭文とともに、僕の身体に満ちた呪力は圧倒的な密度を伴って膨らみ、温かな光となって雷炮神器に収束していく。
『いける!』
『いけます!』
二人の声が、心の中で重なり合った。
・・・祭祀霊術・本命星宿の儀!
「行っけええええぇ!!!」
色麻さんの声に合わせ、僕は引き金を引き絞る。
雷炮神器に満ちた神の霊力が爆発的に銃口から迸り、空を貫き、暗闇を切り裂き、辺りに満ちた邪悪な瘴気を打ち払っていく。
「グオをぉお゙おをおヲオオオおおぉおヲおっお゙ぅっ!!!」
高密度の光が、冥穴にぶつかり、そこから溢れ出る死霊たちを冥穴の中へと押し戻していく。
ゴゴゴゴゴゴ・・・・ッ
神器から放たれた光の束が黄泉の軍勢をぐいぐいと冥穴の奥へと押し込んでいく。それとともに冥穴の端がぐらぐらと揺らぎ、開きかけた不自然な呪的構造物がその不安定さを増していく。
もう・・・少しっ!
今、呪力を振り絞っているのは色麻さんだ。
十分な時間を取れなかった分、彼女の身体への負担は大きいはずだ。
しかし、今は彼女の力に賭けるしかない。
祭司としての色麻さんがいる・・・
あと、不足しているのは、
呪力を響き合わせ、増幅する・・・祭壇だ。
僕は、自身の中をできるだけ空っぽにする。
彼女の呪力を、思いを受け入れて、共鳴するための祭壇となる。
彼女の術式の展開は、状況に比してとてもゆっくりだった。
冥穴からは次々と死霊が溢れてきている。
しかし、彼女は焦ることはなかった。
その確固たる支えが、僕の心の中の恐慌と焦燥をじわりと溶かしていく。
『執法・収法・門法・推法・除法・散法・滅法・八部将軍・・・』
彼女の力のおかげかもしれない。先程までのダメージで見えにくかった目の焦点が合い始めた。吹き出す瘴気の中、冥穴の中心が僕の目にはっきりと写る。
そこをめがけ、心を無にして照星と照門を慎重に合わせていく。
ややもすると力が抜け、震えそうになる腕も、彼女の支えのおかげで保つことができていた。
『威光照見 その力持てここに降り立ちて・・・』
手が・・・あたたかい・・・
僕の身体の中心に、彼女の想いと力が流れ込み、響き合っていく。
『千の災い 万の邪を退けよ』
彼女が唱える最後の祭文とともに、僕の身体に満ちた呪力は圧倒的な密度を伴って膨らみ、温かな光となって雷炮神器に収束していく。
『いける!』
『いけます!』
二人の声が、心の中で重なり合った。
・・・祭祀霊術・本命星宿の儀!
「行っけええええぇ!!!」
色麻さんの声に合わせ、僕は引き金を引き絞る。
雷炮神器に満ちた神の霊力が爆発的に銃口から迸り、空を貫き、暗闇を切り裂き、辺りに満ちた邪悪な瘴気を打ち払っていく。
「グオをぉお゙おをおヲオオオおおぉおヲおっお゙ぅっ!!!」
高密度の光が、冥穴にぶつかり、そこから溢れ出る死霊たちを冥穴の中へと押し戻していく。
ゴゴゴゴゴゴ・・・・ッ
神器から放たれた光の束が黄泉の軍勢をぐいぐいと冥穴の奥へと押し込んでいく。それとともに冥穴の端がぐらぐらと揺らぎ、開きかけた不自然な呪的構造物がその不安定さを増していく。
もう・・・少しっ!
今、呪力を振り絞っているのは色麻さんだ。
十分な時間を取れなかった分、彼女の身体への負担は大きいはずだ。
しかし、今は彼女の力に賭けるしかない。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


