この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第112章 報仇雪恨(ほうきゅうせっこん)
しかし、ここに来るまで僕には『和羽がすべての黒幕だった』という確証がなかったのだ。

自分の思い違いかもしれない・・・考えすぎかもしれない。
もし、ここに来て、何もなかったら?
そんなことになれば、カッコ悪い姿を色麻さんに・・・皆に見せることになる。
僕は、立派なリーダーでなければいけないのに・・・。

そんなふうに思ってしまったのだ。

だけど、結局、そのエゴイスティックな判断の結果がこれだ。
守ろうと思ったものすら何も守れていない。

ふと、言葉が漏れる。
「・・・もっと仲間を、頼ればよかった・・・」

それは後悔の言葉だった。
悔しくて、そして、情けなかった。

ごめん・・・色麻さん・・・

そんなふうに思った時、背後から僕の身体がふわりとなにか温かいものに包み込まれた。

「まだです・・・西園寺様・・・諦めるのは、まだ早いです」

その声は色麻さんだった。
彼女が僕の腕を取り、雷炮神器を握る僕の手を持ち上げた。

「狙いを・・・定めてください。西園寺様」
「え?」
「塞ぐんです・・・冥穴を。私と・・・あなたの力で」

その声は震えていたけれども、必死に僕を励まそうとしている気持ちが伝わってくるものだった。

「どうやって!?」
「私の術式は木です・・・そして、冥穴の性(しょう)は『土』・・・
 私の術式を、雷炮神器で増幅して打ち出して下さい。」

彼女の両手が、神器を握る僕の手を包み込むようにする。
二人で、雷炮神器を構えている形になる。

「まだ冥穴は完全には開ききっていません。
 それに、ここには呪具があり、術者もいます・・・
 ・・・略式だし、準備時間も少ないですが、
 祭祀霊術が発動できます!」

発動できれば、祭祀霊術は・・・無敵ですから!

力強く言う色麻さんの言葉と彼女の体温が、僕の体に沁み込んでくる。
それだけで、先程まで凍えるほどに冷たくなっていた指先に力が戻ってきた。

『五方主呪咀君 我請い願う』
僕の背後で、色麻さんの息遣いを感じる。
彼女の声が朗々と歪んだ闇を切り裂き響き渡る。
祭文とともに、彼女が重ねてきた手から温かな呪力が僕の中に流れ込んでくるのを感じた。

彼女の術式は祭祀霊術だ。
その構成要件は3つ。
祭壇、呪具、演者たる術師。
/1606ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ