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天狐あやかし秘譚
第111章 真実無妄(しんじつむもう)
「はあ、はあ・・・ま、間にあった・・・。
・・・星天を焦がせ・・・『不知火の君(しらぬいのきみ)』!」
主たる僕の声に呼応して、式神『不知火の君』が両腕を前に伸ばす。そこから二条の青白い炎が和羽たちにほとばしった。
「何!?」
「くそ、あの陰陽師の式神だ!
・・・和羽、お前は早く冥穴を開け!」
「で・・・でも!」
「早くしろ、それが『契約』だ!」
左右に転がり、二人はかろうじて式神の炎を避ける。興長が態勢を立て直し、再び印を結び何某かの術を発動しようとする。同時に、その反対側で和羽が冥穴に向かって走り出した。
「させるか!不知火の君!」
式神が小さな炎を出し、僕と色麻さんを捉えていた縄を焼き尽くす。自由になった僕は和羽を追って走り出した。
「貴様!」
和羽を追おうとする僕を追撃するべく、術の射出方向を変えようとするが、そこに不知火の君が炎を纏った扇を手に襲いかかる。
「ちっ!」
興長は下から不知火の君の腕を蹴り上げ、炎扇の攻撃を阻止する。式神を無視してこちらに攻撃を仕掛けることができないと悟ったのか、彼は式神に向かって腰の短刀を引き抜いた。
「不知火!・・・色麻さんを守るんだ!」
興長の右手の短刀を式神が炎扇で打ち払う。その衝撃で、一旦は体勢を崩した興長だったが、左手を器用に地面につき、そこを軸にくるりと回転すると、不知火の君の胴に向かって鋭い蹴りを放った。
ふわり・・・
式神が宙に浮き上がり、その攻撃を躱す。
通常の人間であれば、攻撃特化の僕の式神とここまでまともに交戦することなど出来はしない。やはり、あの興長というのは、人外のものであるとみなすべきだろう。
・・・お願いしますよ・・・不知火・・・
色麻さんだけは守ってください。
あまりそちらに集中もしてられない。
もし、和羽が本当に冥穴を壊したら大惨事になってしまう。
冥穴に向かって走る和羽になんとか追いすがろうとする。しかし、今、僕は雷炮神器を失い、丸腰だ。
追いついて、どうする!?
いや、それでもどうにかするしかない!
鬼の膂力は凄まじいが、こっちもそれなりに修行は積んできている。大地を蹴り、和羽の背に追いすがり、腕を伸ばす。
あと・・・少しだ!
・・・星天を焦がせ・・・『不知火の君(しらぬいのきみ)』!」
主たる僕の声に呼応して、式神『不知火の君』が両腕を前に伸ばす。そこから二条の青白い炎が和羽たちにほとばしった。
「何!?」
「くそ、あの陰陽師の式神だ!
・・・和羽、お前は早く冥穴を開け!」
「で・・・でも!」
「早くしろ、それが『契約』だ!」
左右に転がり、二人はかろうじて式神の炎を避ける。興長が態勢を立て直し、再び印を結び何某かの術を発動しようとする。同時に、その反対側で和羽が冥穴に向かって走り出した。
「させるか!不知火の君!」
式神が小さな炎を出し、僕と色麻さんを捉えていた縄を焼き尽くす。自由になった僕は和羽を追って走り出した。
「貴様!」
和羽を追おうとする僕を追撃するべく、術の射出方向を変えようとするが、そこに不知火の君が炎を纏った扇を手に襲いかかる。
「ちっ!」
興長は下から不知火の君の腕を蹴り上げ、炎扇の攻撃を阻止する。式神を無視してこちらに攻撃を仕掛けることができないと悟ったのか、彼は式神に向かって腰の短刀を引き抜いた。
「不知火!・・・色麻さんを守るんだ!」
興長の右手の短刀を式神が炎扇で打ち払う。その衝撃で、一旦は体勢を崩した興長だったが、左手を器用に地面につき、そこを軸にくるりと回転すると、不知火の君の胴に向かって鋭い蹴りを放った。
ふわり・・・
式神が宙に浮き上がり、その攻撃を躱す。
通常の人間であれば、攻撃特化の僕の式神とここまでまともに交戦することなど出来はしない。やはり、あの興長というのは、人外のものであるとみなすべきだろう。
・・・お願いしますよ・・・不知火・・・
色麻さんだけは守ってください。
あまりそちらに集中もしてられない。
もし、和羽が本当に冥穴を壊したら大惨事になってしまう。
冥穴に向かって走る和羽になんとか追いすがろうとする。しかし、今、僕は雷炮神器を失い、丸腰だ。
追いついて、どうする!?
いや、それでもどうにかするしかない!
鬼の膂力は凄まじいが、こっちもそれなりに修行は積んできている。大地を蹴り、和羽の背に追いすがり、腕を伸ばす。
あと・・・少しだ!

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