この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第109章 青天霹靂(せいてんへきれき)
もちろん、作戦の詳細まで時弥に話すことはしない。ただ、この作戦のアイデアを提供してくれた恩があるのだろうか、西園寺様は『明日の朝には移送する予定みたいな感じで伝えてはみましたけれどもね』と簡単に時弥に伝えていた。
「まあ、実際に移送はするんですけどね」
「へーそうなのかい」
「ずっと警察官にお守りをさせておくわけにはいかないですから」
「どこに・・・なんて聞いても教えてくれやしねーか」
「はは・・・そうですね。もちろんそれは秘密です」
ニヤリと笑って時弥が手を振り、エレベーターホールに消えていく。
それを見送って、私たちは今度こそ、大武エレクトロンを後にした。
西園寺様によると、細工は流々・・・だそうだ。
今夜が山場になるだろう、とも言っていた。
私は大武エレクトロンの本社ビルを振り仰ぐ。
こうしてみると山間にある製造業のビルに過ぎない。
しかし、泣き出しそうな昼過ぎの曇り空の下、人の顔をした鬼、もしくは、鬼のような人間同士が憎み合い、蹴落としあい、場合によっては殺し合ってすらいるこの建物が、まるで伏魔殿のように見えたのだった。
「まあ、実際に移送はするんですけどね」
「へーそうなのかい」
「ずっと警察官にお守りをさせておくわけにはいかないですから」
「どこに・・・なんて聞いても教えてくれやしねーか」
「はは・・・そうですね。もちろんそれは秘密です」
ニヤリと笑って時弥が手を振り、エレベーターホールに消えていく。
それを見送って、私たちは今度こそ、大武エレクトロンを後にした。
西園寺様によると、細工は流々・・・だそうだ。
今夜が山場になるだろう、とも言っていた。
私は大武エレクトロンの本社ビルを振り仰ぐ。
こうしてみると山間にある製造業のビルに過ぎない。
しかし、泣き出しそうな昼過ぎの曇り空の下、人の顔をした鬼、もしくは、鬼のような人間同士が憎み合い、蹴落としあい、場合によっては殺し合ってすらいるこの建物が、まるで伏魔殿のように見えたのだった。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


