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天狐あやかし秘譚
第109章 青天霹靂(せいてんへきれき)
☆☆☆
時弥と異なり、和弥は至ってまともな・・・というかノーマルな出で立ちだった。顔はどちらかと言えば朔弥に似ている。ただ、言われてみれば、朔弥よりは神経質そうにも見える。

「私が疑われているわけですかね」
私達が身分を名乗ったあとの、開口一番がこれだった。
西園寺様が『そういうわけでは』と一応言ったのだが、時弥の時と同じだった。調べればすぐに分かると踏んでのことだろう。相続競争について触れて言った。

「確かに私は現時点で、朔弥に負けています。
 しかし、だからといって銃撃するなど・・・。
 調べてもらえばわかりますが、
 その時間は私はここで仕事をしていましたからね。
 複数の社員が目撃しているはずです」

和弥の言葉を西園寺様がメモに取る。

「ご気分を害してしまい、申し訳ありません。
 一応関係者全員に聴取をするのが仕事でして・・・」

こうしてみると、確かに時弥ではないが、ドラマの中の刑事みたいだ。
でもよく考えたら、私たちは陰陽師であり、刑事ではない。
西園寺様も、自分の中の『刑事像』を演じているのだとすれば、ドラマ感が出るのも当然かもしれない。

「いや、気分を害するなんて・・・
 それに刑事さんの立場なら私を疑うのは当然でしょうし」

ちょっと目つきがオドオドしているような気がする。
しかし、結局、この後も和弥からは有力な情報を得ることはなかった。
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