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天狐あやかし秘譚
第109章 青天霹靂(せいてんへきれき)
☆☆☆
次の日、捜査三日目である。

昨夜の内に西園寺様は石川刑事に吾嬬の話を共有していた。それを受けて早速、県警は朝から捜査を開始しているみたいだった。

「これで和弥がヤクザを雇って朔弥を射殺しようとした・・・ってことが分かれば、事件はだいぶ見えてくるんだけどな」

西園寺様が、あくびを噛み殺しながら、目の前にあるモーニングプレートのオムレツをツンツンとフォークで突きながら言う。眠そうなのは、どうやら昨晩は相当遅くまで調べ物をしていたかららしい。

「そうすると、鬼の正体も和弥・・・ってことでしょうか?」
私の方は和食のプレート。焼鮭の身をほぐしぱくっと一口。うん、やっぱり朝は和食に限る。

「うーん、どうだろうね。それはそれ、これはこれって可能性もあるし」
山盛りのパンの一つを手に取り、モグモグしながら、西園寺様が遠くを見る。
「なんだか、鬼を探すため、だったのに、殺人未遂事件に巻き込まれるなんて思ってもみませんでしたね」

私がそんな事をいうと、『ホントだね。まるで僕たち探偵だね』なんて言って西園寺様が微笑んだ。

少しゆっくりとした朝食の時間。
ここ数日慌ただしかったから、なんだかこの時間が貴重に感じる。

「色麻さんはさ、もしあれだったら、今日は支部に戻っても大丈夫だよ?
 封印の儀は一応終わったわけだし、冥穴には簡易結界が張られている。
 数日もすれば当面の間の恐山冥穴の警備体制も整うことだし・・・」
「いえ、最後までお供します!」
「・・・無理しなくてもいいんだよ?だって、こんなに出張長引く予定じゃなかったから、ほら、パンツのストックとかもなかったりしない?」

突然の発言に、ボンと顔が紅潮するのを感じる。

「な!なんてこと!あ、ありますよ!全然平気です!」

実際のところ、予備を含めて3枚しかないので、洗濯しつつなんとか回している状況なので、若干図星なのだが、そんなこと言えるわけがない。

って言うか、なんつー事を聞くんだ、この人は!

「あ、そ、そうなんだ・・・ならいいんだけど
 ほら、明日からもっと危なくなるかもしれないし、
 女の子って、いろいろ必要なものあるかなーなんて。」
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