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天狐あやかし秘譚
第108章 匿影蔵形(とくえいぞうけい)
男には媚びない・・・そんな主張がにじみ出ているような自信に溢れた装いに見える。とするとこれが・・・
「あなたが刑事さん?はじめまして。私は、大武エレクトロン、半導体部門の部門長・・・大武和羽・・・捜査のお手伝いと聞いてたけれども、社内案内もしたほうがよろしいかしら?」
相当な圧がある。
勝手に部屋に入ったことを見咎められたと感じた西園寺が答えに窮していると、ツカツカとそのまま部屋に入ってきた。
「ここはお祖父様の書斎だったんです。・・・お父様の時代になって使う人がいなくなったので、資料室として保存しているんですよ。なにせお祖父様はこの大武グループの創始者ですからね」
西園寺は大急ぎで頭の中にあるデータから、大武和羽たちの祖父についてのものを引っ張り出してくる。
「大武甚弥さんのお父様・・・大武白弥(おおたけ びゃくや)・・・のものですか?」
「あら、うちのこと、よく調べてるのね」
「ずいぶん勉強家だったんですね」
「ま、今となっては本当に資料室・・・ってだけだけど。本だって役に立たないものばかりだし」
ひょいと和羽が肩をすくめて見せる。
「さ、こんな退屈なところ、さっさと出ましょう。」
そう促されて部屋を出た。ガチャリと音がしたところを見ると、どうやら和羽が鍵を閉めたらしい。
先程の会議室に行くと、吾嬬がいた。どうやら思いの外、和羽の用事が早く終わり、一旦会議室にきたもののもぬけの殻だったことから、西園寺は探されてしまっていたらしかった。
「申し訳ありません。つい興味本位で・・・」
西園寺が頭を掻いて非礼を詫びた。
「お祖父様の書斎を覗いてらしたのよ。」
「まあ、そうでしたのね。コーヒーがすっかり冷めてしまいましたので、和羽様の分も含めて・・・あ・・・和羽様は紅茶のほうがよろしかったですね」
「ええ、ストレートでお願い」
「かしこまりました」
一旦引っ込んだ吾嬬がコーヒーと紅茶を持って訪れた。
先ほどとまた香りが違う。一口飲んでみると、だいぶ浅いロースト・・・いわゆるアメリカンというやつだ。2杯目であることを考えるとたしかにこちらのほうが飲みやすい。そこまで計算しているとしたら大したものだと感じた。
紅茶の方もかなり香りが立っている。おそらくダージリンだと思われた。
「あなたが刑事さん?はじめまして。私は、大武エレクトロン、半導体部門の部門長・・・大武和羽・・・捜査のお手伝いと聞いてたけれども、社内案内もしたほうがよろしいかしら?」
相当な圧がある。
勝手に部屋に入ったことを見咎められたと感じた西園寺が答えに窮していると、ツカツカとそのまま部屋に入ってきた。
「ここはお祖父様の書斎だったんです。・・・お父様の時代になって使う人がいなくなったので、資料室として保存しているんですよ。なにせお祖父様はこの大武グループの創始者ですからね」
西園寺は大急ぎで頭の中にあるデータから、大武和羽たちの祖父についてのものを引っ張り出してくる。
「大武甚弥さんのお父様・・・大武白弥(おおたけ びゃくや)・・・のものですか?」
「あら、うちのこと、よく調べてるのね」
「ずいぶん勉強家だったんですね」
「ま、今となっては本当に資料室・・・ってだけだけど。本だって役に立たないものばかりだし」
ひょいと和羽が肩をすくめて見せる。
「さ、こんな退屈なところ、さっさと出ましょう。」
そう促されて部屋を出た。ガチャリと音がしたところを見ると、どうやら和羽が鍵を閉めたらしい。
先程の会議室に行くと、吾嬬がいた。どうやら思いの外、和羽の用事が早く終わり、一旦会議室にきたもののもぬけの殻だったことから、西園寺は探されてしまっていたらしかった。
「申し訳ありません。つい興味本位で・・・」
西園寺が頭を掻いて非礼を詫びた。
「お祖父様の書斎を覗いてらしたのよ。」
「まあ、そうでしたのね。コーヒーがすっかり冷めてしまいましたので、和羽様の分も含めて・・・あ・・・和羽様は紅茶のほうがよろしかったですね」
「ええ、ストレートでお願い」
「かしこまりました」
一旦引っ込んだ吾嬬がコーヒーと紅茶を持って訪れた。
先ほどとまた香りが違う。一口飲んでみると、だいぶ浅いロースト・・・いわゆるアメリカンというやつだ。2杯目であることを考えるとたしかにこちらのほうが飲みやすい。そこまで計算しているとしたら大したものだと感じた。
紅茶の方もかなり香りが立っている。おそらくダージリンだと思われた。

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