この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第108章 匿影蔵形(とくえいぞうけい)
「ところでさっき言ってた、社長『代理』ってことだけど・・・?」
西園寺がふと気づいたように言う。色麻がそれを受けて続けた。
「あ!私も気になっていました。社長、じゃなくて、代理って・・・ここの社長は不在なんですか?」
ああ、それですか、と石川が自分の手帳を広げながら手短に説明をしてくれた。
「実は、ここ大武エレクトロンの本来の社長は、大武甚弥という人物でした。そして彼は5ヶ月ほど前に亡くなっているのです」
「ん?・・・妙だね。普通社長が亡くなったら速やかに次期社長を選出するもんじゃないの?」
「ええ、そうですね。それには特殊な事情があったみたいです。どうやら甚弥が残した遺言のせいらしいです」
「遺言ってどんなだったんですか?」
西園寺と石川の話の中に色麻が無理やり入ってくる。
「えっと・・・ちょっと変わってまして。実はこの大武エレクトロンは一族経営の会社なんです。そのため、次期社長は長男和弥、次男朔弥、三男時弥、長女和羽のうちから選ばれることになったんです。そして、この社長になった者が実質大武エレクトロンだけではなく、大武家の家督を継ぐ・・・つまりは当主になるということも意味しているみたいなんです。」
そして、この家督を継ぐ条件こそが、『甚弥が死んでから6ヶ月間の売上が最も高かった人物』ということになっているのだという。
「なるほど、自分が死んでから6ヶ月間、子を競わせて、一番優秀だった子どもが社長になる・・・。さっき私達の相手をしたのが次男の朔弥ですね。だから社長『代理』なんだ」
「そうですね。他の3人も今は同じく『代理』を名乗ってます。今日、朔弥がこちらに出てきたのはたまたまなんでしょう」
「ちなみにそれ、選ばれなかった子どもはどうなるんですか?」
色麻が無邪気に尋ねた。
「追放だそうです」
石川の答えに色麻はもちろん、西園寺も目を丸くする。
「え?・・・そんなことできるんですか?」
「まあ、民法上の最低限の遺産は受け継ぐことはできるのでしょうけど、少なくとも会社からも今住んでいる家からも放逐されると聞いています。本当かどうか知りませんが、甚弥が『余計な禍根を残さないため』と言ったとか言わなかったとか」
西園寺がふと気づいたように言う。色麻がそれを受けて続けた。
「あ!私も気になっていました。社長、じゃなくて、代理って・・・ここの社長は不在なんですか?」
ああ、それですか、と石川が自分の手帳を広げながら手短に説明をしてくれた。
「実は、ここ大武エレクトロンの本来の社長は、大武甚弥という人物でした。そして彼は5ヶ月ほど前に亡くなっているのです」
「ん?・・・妙だね。普通社長が亡くなったら速やかに次期社長を選出するもんじゃないの?」
「ええ、そうですね。それには特殊な事情があったみたいです。どうやら甚弥が残した遺言のせいらしいです」
「遺言ってどんなだったんですか?」
西園寺と石川の話の中に色麻が無理やり入ってくる。
「えっと・・・ちょっと変わってまして。実はこの大武エレクトロンは一族経営の会社なんです。そのため、次期社長は長男和弥、次男朔弥、三男時弥、長女和羽のうちから選ばれることになったんです。そして、この社長になった者が実質大武エレクトロンだけではなく、大武家の家督を継ぐ・・・つまりは当主になるということも意味しているみたいなんです。」
そして、この家督を継ぐ条件こそが、『甚弥が死んでから6ヶ月間の売上が最も高かった人物』ということになっているのだという。
「なるほど、自分が死んでから6ヶ月間、子を競わせて、一番優秀だった子どもが社長になる・・・。さっき私達の相手をしたのが次男の朔弥ですね。だから社長『代理』なんだ」
「そうですね。他の3人も今は同じく『代理』を名乗ってます。今日、朔弥がこちらに出てきたのはたまたまなんでしょう」
「ちなみにそれ、選ばれなかった子どもはどうなるんですか?」
色麻が無邪気に尋ねた。
「追放だそうです」
石川の答えに色麻はもちろん、西園寺も目を丸くする。
「え?・・・そんなことできるんですか?」
「まあ、民法上の最低限の遺産は受け継ぐことはできるのでしょうけど、少なくとも会社からも今住んでいる家からも放逐されると聞いています。本当かどうか知りませんが、甚弥が『余計な禍根を残さないため』と言ったとか言わなかったとか」

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


