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天狐あやかし秘譚
第108章 匿影蔵形(とくえいぞうけい)
「色麻さん、わざわざついてこなくても良かったのに・・・」
思わず西園寺がそうこぼす。
「なぜですか?サポートですよ、サポート!」
「いや、色麻さんがいると、息苦・・・いや、危ないからさ、ほら、鬼とかいるし」
慌てて言い直したが遅かったみたいだ。ジトッとした目で色麻が西園寺を睨みつける。
「何か今、息苦しいとか言いましたか?」
「いや、言ってないです。言ってない!」
「・・・で、どうするつもりですか?」
あまりこちらに触れないほうが得策と考えた西園寺は、話をそらそうとばかりに石川の方に顔を向ける。
「あの血痕について、DNAとか取れそうですか?」
「ああ、今、科捜研にやらせてるが・・・いかんせん、鬼化しているときの血は人間のDNAが出ないことも多いから、あまり期待せんでくれよ」
「となると、やっぱり外堀から埋めるしかないか・・・」
西園寺が語った作戦はこうだった。
昨日、会社に残っていた人物を特定し、一人ひとり面談をする。その中で当該時刻に会社に帰ってきたものがいたら、それが最重要容疑者。特定できたら後をつけて鬼化の瞬間を捉えて逮捕する。
もしそういった人が見られなかったら、残ってた人全員を尾行して尻尾を掴む・・・。
「ずいぶん大雑把ですね」
「仕方ないだろう、人鬼がその気になって気配を消したら、解剖でもしない限り鬼である証拠を掴むことなんてできないんだから」
「たとえ警察であっても、まさか鬼の疑いってだけで逮捕するわけにはいかないからな・・・」
西園寺は考え込む。
事態は思ったより複雑だ。
もし犯人が何らかの偶発的な状況で発生した単独の人鬼ならいいけれども、誰かとのつながりがあったり、組織的なバックがあったとしたら、単に人鬼を一匹調伏すればいいという話にはならない。捕まえて、背後にいる何者かも明らかにしなければ、いつまた冥穴が脅かされるかわからないのだ。
だからこそ、何としてもここに逃げ込んだ鬼を捕まえる必要があるのだ。
「でも、それなら、人手は多いほうがいいですから、やっぱり私が同行してきて正解でしたね!」
若干ウキウキとした調子で色麻が言った。
「ん、まあ・・・そうだね」
西園寺の返事は冴えない。彼としては戦闘能力のない色麻にはあまり前線に出てきてほしくないという気持ちがあったからだ。
思わず西園寺がそうこぼす。
「なぜですか?サポートですよ、サポート!」
「いや、色麻さんがいると、息苦・・・いや、危ないからさ、ほら、鬼とかいるし」
慌てて言い直したが遅かったみたいだ。ジトッとした目で色麻が西園寺を睨みつける。
「何か今、息苦しいとか言いましたか?」
「いや、言ってないです。言ってない!」
「・・・で、どうするつもりですか?」
あまりこちらに触れないほうが得策と考えた西園寺は、話をそらそうとばかりに石川の方に顔を向ける。
「あの血痕について、DNAとか取れそうですか?」
「ああ、今、科捜研にやらせてるが・・・いかんせん、鬼化しているときの血は人間のDNAが出ないことも多いから、あまり期待せんでくれよ」
「となると、やっぱり外堀から埋めるしかないか・・・」
西園寺が語った作戦はこうだった。
昨日、会社に残っていた人物を特定し、一人ひとり面談をする。その中で当該時刻に会社に帰ってきたものがいたら、それが最重要容疑者。特定できたら後をつけて鬼化の瞬間を捉えて逮捕する。
もしそういった人が見られなかったら、残ってた人全員を尾行して尻尾を掴む・・・。
「ずいぶん大雑把ですね」
「仕方ないだろう、人鬼がその気になって気配を消したら、解剖でもしない限り鬼である証拠を掴むことなんてできないんだから」
「たとえ警察であっても、まさか鬼の疑いってだけで逮捕するわけにはいかないからな・・・」
西園寺は考え込む。
事態は思ったより複雑だ。
もし犯人が何らかの偶発的な状況で発生した単独の人鬼ならいいけれども、誰かとのつながりがあったり、組織的なバックがあったとしたら、単に人鬼を一匹調伏すればいいという話にはならない。捕まえて、背後にいる何者かも明らかにしなければ、いつまた冥穴が脅かされるかわからないのだ。
だからこそ、何としてもここに逃げ込んだ鬼を捕まえる必要があるのだ。
「でも、それなら、人手は多いほうがいいですから、やっぱり私が同行してきて正解でしたね!」
若干ウキウキとした調子で色麻が言った。
「ん、まあ・・・そうだね」
西園寺の返事は冴えない。彼としては戦闘能力のない色麻にはあまり前線に出てきてほしくないという気持ちがあったからだ。

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