この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第107章 【第21話 冥穴】居安思危(きょあんしき)
西園寺はスマホをしまい、代わりに雷炮神器を取り出して構える。いつでも撃てるようにセーフティは解除してあった。

銃を構えた姿勢で暗がりの道に転がり込む。夜目は十分利いていた。遠くの暗がりに確かに何か動くものがある。

その影はそのまま脇道にそれて消えた。西園寺がその脇道に入ったときには残念ながら影を見つけることはできなかったが、正面に鉄の格子状の扉があった。

ペンライトで扉の取っ手を見ると、ほんの微かだが、血痕が付着しているのが見て取れた。そのまますっと光の輪を上に持っていくと、扉に付けられた看板が読み取れた。

『大武エレクトロン通用口』

西園寺は頭を掻く。

「私有地・・・か」

少し考える素振りを見せるとスマホを取り出し、今度こそ支部に連絡を取った。数コール後に支部の当直者が出た。

「冥穴で遭遇した鬼を見失ってしまいました。
 色麻さんたちに連絡して・・・冥穴の応急封印を終えたら周囲を結界で囲むよう伝えてください。早急に可能な限りの支部員を動員して封印班を組織、恐山の冥穴封印を最優先に。
 こちらも早急ですが、青森県警の捜査一課に協力を要請。『大武エレクトロン』という会社の資料を集めてください。
 それから・・・」

西園寺は一息つく。
頭の中では先程から考えていた最悪の事態についての予想が、明確な形を取り始めていた。

報告よりも数段早く、冥穴が危機的状況に陥っていたのはなぜか。
なぜ、冥穴を封印しようとした矢先に、強力な鬼が邪魔に入ったのか。
そして本能のまま人を襲うはずの鬼が、『追跡者を撒くような動き』をしたのはなぜか。

もし、今回のことが『鬼憑き』家系の人間が引き起こしたことだったら、これらの違和感にも全て納得がいく説明ができるというものだ。

事態は僕が思っているより悪いかもしれない。
それが西園寺の結論だった。

なので、電話口で、ゆっくりとこう告げた。

「・・・それから、本庁の左前さんに連絡を。
 おそらく冥穴を意図的にこじ開けようとしている『人間』がいます。」

それは、自然現象を超えた、何らかの陰謀が密かに進行しつつあることを意味していた。
/1606ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ