この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第107章 【第21話 冥穴】居安思危(きょあんしき)
案の定、私の目にはメリメリと冥穴の裂け目が広がっていく様子が見て取れた。自然発生的に裂け目が広がっても危ないというのに、急激にこじ開けられたとしたら、一体どれだけの災厄が起こるのか見当もつかない。もしかしたら、爆発の衝撃でここら辺一帯が消し飛んでしまうことも考えられるのだ。
ビリ・・・ビリリ・・・ッ
冥穴から溢れる黄泉の瘴気が鬼気と響き合い、今にも弾けそうなほどに膨らみ始める。
もう・・・ダメっ!
「大丈夫だよ・・・」
すっと頭が一瞬、軽く撫でられたような気がした。
え?
ふわっとした温かい感覚。
そして次に私が感じたのは、ドン!という大気を震わせる破裂音と、硝煙の匂いだった。
「ぐううわううううぅあうう!」
獣のような声があたりに響く。
再びドン!ドン!と続けて2発の音が響く。
それが銃声であることに気づいたのは、少し時間が経ってからだった。
一旦、閉じた目を恐る恐る開いてみる。
そこには私と影との間に立つ、西園寺様がいた。
手に構えているのはハンドガン・・・それも警察官が使うような撃鉄とシリンダーを持つリボルバー式のものではなく、軍隊で使われるようなマガジンを装填するいわゆるオートマチック型の大ぶりの銃だった。
西園寺様は、一見華奢な体に見えるのに、その大ぶりの銃を軽々と持ち慎重に照準を合わせている。その口が呪言を小さく唱えていることに今になってやっと気づいた。
「火焔・・・清々なれ・・・我・・・乞い願いたる・・・浄火、神明、炎撃、歳神・・・砕きたまへ・・・」
ドン!
再び西園寺様の拳銃が火を吹いた。一瞬の火花に照らされたその表情はいつもの気弱そうな面影は微塵も感じさせないほどの精悍なものだった。
「西園寺・・・さま・・・」
初めて見た・・・あれが、あの拳銃が・・・
陰陽寮陰陽部門祓衆、属の四位・・・火の術者、西園寺正成の呪具『雷炮神器(らいほうしんき)』・・・なのだ。
「そこを動かないで、色麻さん。なんだ、こいつ・・・人鬼?それとも・・・」
ビリ・・・ビリリ・・・ッ
冥穴から溢れる黄泉の瘴気が鬼気と響き合い、今にも弾けそうなほどに膨らみ始める。
もう・・・ダメっ!
「大丈夫だよ・・・」
すっと頭が一瞬、軽く撫でられたような気がした。
え?
ふわっとした温かい感覚。
そして次に私が感じたのは、ドン!という大気を震わせる破裂音と、硝煙の匂いだった。
「ぐううわううううぅあうう!」
獣のような声があたりに響く。
再びドン!ドン!と続けて2発の音が響く。
それが銃声であることに気づいたのは、少し時間が経ってからだった。
一旦、閉じた目を恐る恐る開いてみる。
そこには私と影との間に立つ、西園寺様がいた。
手に構えているのはハンドガン・・・それも警察官が使うような撃鉄とシリンダーを持つリボルバー式のものではなく、軍隊で使われるようなマガジンを装填するいわゆるオートマチック型の大ぶりの銃だった。
西園寺様は、一見華奢な体に見えるのに、その大ぶりの銃を軽々と持ち慎重に照準を合わせている。その口が呪言を小さく唱えていることに今になってやっと気づいた。
「火焔・・・清々なれ・・・我・・・乞い願いたる・・・浄火、神明、炎撃、歳神・・・砕きたまへ・・・」
ドン!
再び西園寺様の拳銃が火を吹いた。一瞬の火花に照らされたその表情はいつもの気弱そうな面影は微塵も感じさせないほどの精悍なものだった。
「西園寺・・・さま・・・」
初めて見た・・・あれが、あの拳銃が・・・
陰陽寮陰陽部門祓衆、属の四位・・・火の術者、西園寺正成の呪具『雷炮神器(らいほうしんき)』・・・なのだ。
「そこを動かないで、色麻さん。なんだ、こいつ・・・人鬼?それとも・・・」

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


