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天狐あやかし秘譚
第107章 【第21話 冥穴】居安思危(きょあんしき)
陽が傾いていく。どろりと濁ったオレンジ色の光が次第に辺りに満ちてくる。
時刻は最も世界が冥府に近づきやすい時刻・・・逢魔が時に差し掛かりつつあった。
私達の目の前には通常の人の目には映らない、昏い冥府への裂け目・・・冥穴が揺らいでいる。そこから溢れ出す異様な気配が時々刻々と強くなっていくような気がしてならないのは、気のせいばかりではないのかもしれない。
もしかしたら、この冥穴、今にも開きそうなのだろうか?
西園寺様はそれをひとり、敏感に感じているのだろうか?
さすがは位階持ち・・・そんなふうに思った矢先だった。
「早く・・・宿に帰りたいよね。ここ・・・怖いし」
そうつぶやく西園寺様を見て、ああ、やっぱりこの人こういう人だよ、と、私は声に出さずにツッコミを入れていた。
時刻は最も世界が冥府に近づきやすい時刻・・・逢魔が時に差し掛かりつつあった。
私達の目の前には通常の人の目には映らない、昏い冥府への裂け目・・・冥穴が揺らいでいる。そこから溢れ出す異様な気配が時々刻々と強くなっていくような気がしてならないのは、気のせいばかりではないのかもしれない。
もしかしたら、この冥穴、今にも開きそうなのだろうか?
西園寺様はそれをひとり、敏感に感じているのだろうか?
さすがは位階持ち・・・そんなふうに思った矢先だった。
「早く・・・宿に帰りたいよね。ここ・・・怖いし」
そうつぶやく西園寺様を見て、ああ、やっぱりこの人こういう人だよ、と、私は声に出さずにツッコミを入れていた。

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