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天狐あやかし秘譚
第106章 形勢逆転(けいせいぎゃくてん)
呪いがこの場所についているのか、それとも本人についているのかは判然としない。それが場所であるのならいいが、人の側についているとなると、この時点で橋本の命の保証は全くできなくなる。
「占術を・・・」
そう言いかけた私を九条様が手で制した。
「大丈夫・・・明咲ちゃん。僕に任せてよ」
そう応えると、九条様は懐から数枚の札を取り出した。その札には『鬼』という文字と格子模様が描かれ、その下に『艮歳刑勧請』とある。
橋本の部屋の扉を背に、紅に染まる街にバッと札を放った。
「五行天帝 歳刑 八将荒魂勧請!」
呪言に反応し、符が光り輝く。それぞれが瞬く間に白い鳩のような鳥に変化していく。それは、陰陽寮で最も優美であると称される九条様の式神・・・
「行け・・・僕の『白鷺姫』!」
軽い羽ばたき音を上げ、数羽の式神が空高く舞い上がる。それらは少しの間マンションの周辺を飛び回っていたが、すぐに方向を見出したようで、全部が同じ方向に飛び始めた。
「さあ、行こう・・・。僕の白鷺姫はね、探し物が大の得意だからさ」
ぱちん、とウィンクをした九条様。
ズキュン!
多分、本人は全く意図していないその無邪気な笑顔は、一息にして私の心臓を撃ち抜いてしまった・・・のだった。
「占術を・・・」
そう言いかけた私を九条様が手で制した。
「大丈夫・・・明咲ちゃん。僕に任せてよ」
そう応えると、九条様は懐から数枚の札を取り出した。その札には『鬼』という文字と格子模様が描かれ、その下に『艮歳刑勧請』とある。
橋本の部屋の扉を背に、紅に染まる街にバッと札を放った。
「五行天帝 歳刑 八将荒魂勧請!」
呪言に反応し、符が光り輝く。それぞれが瞬く間に白い鳩のような鳥に変化していく。それは、陰陽寮で最も優美であると称される九条様の式神・・・
「行け・・・僕の『白鷺姫』!」
軽い羽ばたき音を上げ、数羽の式神が空高く舞い上がる。それらは少しの間マンションの周辺を飛び回っていたが、すぐに方向を見出したようで、全部が同じ方向に飛び始めた。
「さあ、行こう・・・。僕の白鷺姫はね、探し物が大の得意だからさ」
ぱちん、とウィンクをした九条様。
ズキュン!
多分、本人は全く意図していないその無邪気な笑顔は、一息にして私の心臓を撃ち抜いてしまった・・・のだった。

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