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天狐あやかし秘譚
第106章 形勢逆転(けいせいぎゃくてん)
安堵したせいか、急に足から力が抜け、私はへなへなと座り込んでしまいそうになる。これで消えてくれればと思ったが、すぐにそれは無益な願いだと知る。なぜなら、周囲にはまだ呪霊独特の嫌な気配が漂っていたからである。

おそらく怪異は一時的に私の目の届かない場所に逃れただけなのだ。そしてまた、時間をおいて橋本のもとに行くつもりなのは疑う余地がない。

どうしよう・・・

方位占術でどこからくるか予測し、私が『見る』ことで打ち払い続ける?

いや、無理だ。報告書には、橋本が一度見ただけで怪異は退散したと書かれていた。にも関わらず、今日はまだ完全に退散していない。それは、この方法には何らかの限界がある可能性を示唆している。

例えば、次第に見られることに『慣れてくる』とか、呪力が強くなってきて、追い払う力を凌駕するとか・・・。

とにかく、こんな風にジリジリと近づいてこられては、遠からず私の力では押し切られてしまうだろう。

助けを呼ぶしかない・・・

そう考えた私は、スマホを取り出し、陰陽寮の代表番号をタップする。祭部の事務室につないでもらい、電話に出た杉山さんに事の経緯を説明した。

「ええ!!じゃあ、怪異は別にいたってことですか!?」
「そう!だから、早く九条様にご連絡を」
「分かりました。九条さんからは、今しがた出張先で事案の処理が終了したという連絡が入ったので、もう一度連絡してみます。それまで姿さんは大丈夫ですか?」

・・・大丈夫か、と聞かれれば大丈夫ではない。
不安しかない。

しかし、ここで更に応援をなどと言えば九条様の顔に泥を塗りかねない。
だったら、私の返事はひとつである。

「私なら大丈夫。凌いでみせます。だから・・・だから早く!」
「分かりました!」

ぷつん、とスマホの通話が切れた。ぎゅっと、電話を握りしめる。
相変わらず周囲には嫌な気配が漂っている。

もう一度怪異が現れる前に、打てる手はすべて打っておかないと・・・。

私は背後のマンションをきっと睨みつけた。
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