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天狐あやかし秘譚
第106章 形勢逆転(けいせいぎゃくてん)
そして、その背格好は、明らかに常人のそれより大きく、180センチは優に超えている。もちろん、黒咲紗倉の身長など軽く凌駕していた。

やはり怪異は別に存在したんだ!

祓わなければ。とっさにそう考えた私は、鏢をしまってある腰のポーチに手を伸ばしかけ、はたと手を止める。怪異が放つ圧倒的な呪力を肌で感じてしまったからだ。

ダメ・・・あの呪力量・・・あれは本当に質の悪い呪霊だ。
私の力じゃ祓うのなんて到底無理だ。
どうする・・・どうしたら?

そう思っている内に怪異はひたひたと橋本のマンションに近づいていく。

あれがあそこに到達してしまったらどうなるの?
彼が襲われてしまったら・・・。

もしそうなれば、依頼主をみすみす見殺しにしたことになる。もちろん、今回の依頼を受けた九条様の大失点になるのは免れない。そう思うと、一瞬、ぞわっと背筋が震えた。

どうしよう、どうしよう。

戸惑う私の脳裏にパッと閃くものがあった。
報告書の中で『怪異は見られた事に気づいたかのように、踵を返した』とあったではないか。
そうだ、あの怪異は丑の刻参りとかと同じで『誰かが見る』ことで阻害することができるんだ・・・。

だとしたら!

私は、恐怖と不安で震え出しそうになる足にムチを打ち、思い切り息を吸うと、怪異に向かって叫んだ。

「こら!な、何をするつもりだぁ!!!」

ブルリと身体を震わせたかと思うと、怪異がその歩みを止めた。そして、ゆっくりとこちらを振り向いた。

ひっ!

怪異の顔、その目に当たるところは真っ黒な洞になっており、そこからは赤黒い血がまるで涙のように滴っていた。それは、私が想像した以上に悍ましいものだった。

「はああぁあああっ・・・・」

怪異は同じく黒い洞のような口を大きく開き、奇妙な音を立てて息を吐く。ずりりっとこちらに足を進めてきたので、私は思わず足をすくませたが、それがこちらにたどり着くことはなかった。歩み始めた足がまるで地面に溶けこむように消えていき、見る間に身体全体がアスファルトの道路に沈み込んでいく。

そして、数秒もしない内に黒いシミのような影となって、すっかり消えてしまった。

やった・・・の?
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