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天狐あやかし秘譚
第106章 形勢逆転(けいせいぎゃくてん)
☆☆☆
八将神風水観図によって九条様に危機が迫っていることを知った私は、土門様に『例の事件で確認しなくてはいけないことが生じたので』と言い、橋本の住むマンションに急いだ。

風水観図に現れた凶相・・・
すごく、嫌な予感がする。

最初、私は紗倉の影響が残っているだけではないかとも思った。しかし、すぐに自身でそれを否定することになる。凶相にまとわりついている気配・・・その性は底知れない悪意と嫉みで真っ黒に染まっていたのだ。

明らかに『黒咲紗倉』のものとは異質なのだ。

紗倉の思いは歪んでいるし、行き過ぎているが、その本質はどこまでいっても『愛』だ。しかし、私が風水観図の凶相に感じたのは、それと真逆の念・・・すなわち『恨み』だったのである。

それはつまり、橋本を狙っている呪詛が別にある可能性を示唆していた。

もし本当に、紗倉とは別の何かが橋本を狙っているのだとすれば・・・それが本当の怪異だったならば、あの時ちゃんと占わなかった私の失点である。いいや、私の失点で済めばいい。九条様の失点になってしまいかねないのだ。

それは避けねばならない。

そんな思いが私の足を急がせた。駅から走りに走って、目の前にやっと橋本のマンションが見えてきた。私が陰陽寮を出たのが17時少し前、ここに着いた頃にはすでに町は茜色に沈み始めており、住宅街のただ中にある彼のマンションの周囲は人影もまばらであった。

あそこでもう一度、風水観図を展開してみよう。
それで何もなければ良し、そうでなければ・・・。

黄昏に染まる道、そこを懸命に走る私の前に、黒い影が見えた。

あ・・れ・・・?

沈む夕日を背にし、それは真っ黒に染まっていた。
ゆらゆらと不自然に揺れる影。スカートを履いているらしくその足元には、布が揺れていた。背中側からははっきりしないが、手を前にふらりふらりと出しているようだった。その歩き方は盲人のそれに似ている。

更に近づくと、髪の毛が異常に長く、そして・・・

「血・・・」

背筋にゾッと冷たいものが走る。白いワンピースのように見えたそれには、あちこちに夕日に照らされ赤黒く見える沁みが見て取れた。それは、最初に九条様の報告書にあった、橋本が見たという女の特徴・・・『服に血痕がついていた』を彷彿とさせた。
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