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天狐あやかし秘譚
第97章 【第19話:地狐】温慈恵和(おんじけいか)
お揚げ入りのうどんを茹で、常備菜をいくつか出してあげようかと思い、キッチンに立つ。母がいるうちは、多分電子レンジなどを使わないほうがいいだろうと思っての判断だった。
なにはともあれ、親子水入らずには違いない。母とこうしてじっくり話すのは、考えてみれば6年ぶりくらいだ。そう考えると、積もる話も(出来るものとできないものがあるが・・・)たくさんある。まずは腹を満たしてもらって、それからお風呂に・・・。
そんな事を考えながら、茹で上がったうどんをお盆に載せる。
「簡単なのだけど・・・」
そこで私は絶句した。
「わああ!お揚げ入りですね!!はい!ぜひ、ぜひ!ご相伴に与ります!!」
なぜなら、母の隣に清香ちゃんと同じくらいの年齢のピンク色の巫女服のような装束に身を包んだ女の子が座っていたからである。
その娘は目を輝かせて、私の手元のうどんに熱い視線を送ってきていた。
私がびっくりしたのは、その子が突然現れたからだけではなかった。
見れば、彼女の頭にはフッさりした耳が、そして、その背中には、ゆらゆらと揺れる狐の尻尾があるではないか。
「あ・・・あんた、誰?」
びっくりした拍子に、私はつい、素でこう聞いてしまっていた。そんな私の様子を見て、母はきょとんとした顔をしていた。
なにはともあれ、親子水入らずには違いない。母とこうしてじっくり話すのは、考えてみれば6年ぶりくらいだ。そう考えると、積もる話も(出来るものとできないものがあるが・・・)たくさんある。まずは腹を満たしてもらって、それからお風呂に・・・。
そんな事を考えながら、茹で上がったうどんをお盆に載せる。
「簡単なのだけど・・・」
そこで私は絶句した。
「わああ!お揚げ入りですね!!はい!ぜひ、ぜひ!ご相伴に与ります!!」
なぜなら、母の隣に清香ちゃんと同じくらいの年齢のピンク色の巫女服のような装束に身を包んだ女の子が座っていたからである。
その娘は目を輝かせて、私の手元のうどんに熱い視線を送ってきていた。
私がびっくりしたのは、その子が突然現れたからだけではなかった。
見れば、彼女の頭にはフッさりした耳が、そして、その背中には、ゆらゆらと揺れる狐の尻尾があるではないか。
「あ・・・あんた、誰?」
びっくりした拍子に、私はつい、素でこう聞いてしまっていた。そんな私の様子を見て、母はきょとんとした顔をしていた。

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