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淫夢売ります
第54章 斜陽の楽園:繰り返す悪夢
「ああ、そうだな・・・営業部屋はちょっと騒がしいから、3番のミーティングルーム、あそこでやろうか。朝比奈くん、申し訳ないけど、総務に行って部屋押さえてくれる?あと、端末も準備して」
「あ、大丈夫ですよ、佐久本さん、私、今、聞きましたので」
佐久本さんの言葉を受けて、有本さんが部屋の予約を買って出てくれた。ミーティングルームは大部屋から少し離れたところにある小規模の商談にも使うような部屋である。静かなので、こういった指導にはうってつけと言える。
「いいなあ、さららちゃん。佐久本さんの個人レッスンだなんて」
有本さんがにやりと笑う。佐久本さんは顔立ちもよく、仕事もできる。今度、営業一部に栄転するとか、海外転勤組の候補になっているなんて話すらある。同世代の中でも特に将来を嘱望されている、いわばエリート社員だ。社内でも狙っている女子は多いと聞く。
有本さんとしては、そんな男性に個室で教えてもらえるなんて羨ましい・・・的な意味で言ったのだと思うのだけど・・・思うのだけど・・・あれ?
「そんな・・・仕事だし」
なんとなく笑って誤魔化しているが、背筋がゾワリとして落ち着かない。ミーティングルーム・・・個室で佐久本さんに一対一で仕事を教えてもらう・・・その場面が頭をよぎった時、なにか胃の底に何か重苦しくわだかまるような吐き気を覚え、同時にざわっと体表に鳥肌が走る。
自分でも正体の分からない不可解な感覚だった。
仕事・・・仕事だから・・・。何度も、自分に言い聞かせる。
しかし、そんな私を尻目にふたりは軽口を叩き合う。
「そうだぞ、こいつには俺のスキルを叩き込むことにしてるんだからな」
「はいはい。鬼コーチ、さららちゃんをあんまりいじめないでくださいな」
「何言ってんだ、俺がそんないじめっ子に見えるか?こんな可愛い後輩をさ・・・」
佐久本さんは、総務の子たちからも受けが良い。社内でも、こんな風に誰とでも軽口をたたける男性は珍しいのではないかと思う。
別に表情が怖いとか、なにか嫌なことを言われているとか、そんなことは全然ない。髪型も服装も清潔感に溢れているし、言葉遣いは一見乱暴に聞こえる時もあるけれど、周囲への気遣いをしているのもちゃんと分かる。
「あ、大丈夫ですよ、佐久本さん、私、今、聞きましたので」
佐久本さんの言葉を受けて、有本さんが部屋の予約を買って出てくれた。ミーティングルームは大部屋から少し離れたところにある小規模の商談にも使うような部屋である。静かなので、こういった指導にはうってつけと言える。
「いいなあ、さららちゃん。佐久本さんの個人レッスンだなんて」
有本さんがにやりと笑う。佐久本さんは顔立ちもよく、仕事もできる。今度、営業一部に栄転するとか、海外転勤組の候補になっているなんて話すらある。同世代の中でも特に将来を嘱望されている、いわばエリート社員だ。社内でも狙っている女子は多いと聞く。
有本さんとしては、そんな男性に個室で教えてもらえるなんて羨ましい・・・的な意味で言ったのだと思うのだけど・・・思うのだけど・・・あれ?
「そんな・・・仕事だし」
なんとなく笑って誤魔化しているが、背筋がゾワリとして落ち着かない。ミーティングルーム・・・個室で佐久本さんに一対一で仕事を教えてもらう・・・その場面が頭をよぎった時、なにか胃の底に何か重苦しくわだかまるような吐き気を覚え、同時にざわっと体表に鳥肌が走る。
自分でも正体の分からない不可解な感覚だった。
仕事・・・仕事だから・・・。何度も、自分に言い聞かせる。
しかし、そんな私を尻目にふたりは軽口を叩き合う。
「そうだぞ、こいつには俺のスキルを叩き込むことにしてるんだからな」
「はいはい。鬼コーチ、さららちゃんをあんまりいじめないでくださいな」
「何言ってんだ、俺がそんないじめっ子に見えるか?こんな可愛い後輩をさ・・・」
佐久本さんは、総務の子たちからも受けが良い。社内でも、こんな風に誰とでも軽口をたたける男性は珍しいのではないかと思う。
別に表情が怖いとか、なにか嫌なことを言われているとか、そんなことは全然ない。髪型も服装も清潔感に溢れているし、言葉遣いは一見乱暴に聞こえる時もあるけれど、周囲への気遣いをしているのもちゃんと分かる。

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