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淫夢売ります
第54章 斜陽の楽園:繰り返す悪夢
「モルフェっていうお店のことなんだけどね」
彼女が語ったのは次のような話だった。
曰く、ある人が夢の中で不思議なお店にたどり着いたという。そのお店には夢が売っているのだけど、もしそこで『夢』を買うと言ってしまうと、その夢に囚われてしまう・・・。
「たった一言、夢を買います、と言ったが最後、その人は一生、悪夢の世界に閉じ込められちゃうんだって」
悪夢に閉じ込められると聞いて、この間のなんとも言えない恐ろしい夢と、そしてなぜだか昨日のストーカー男を思い出してしまい、私は背筋に寒いものを感じた。
そう言えば、以前に不思議な扉をくぐって何かのお店に入った・・・夢を・・・私も・・・見た・・・?
ジジジジ・・・ジジ・・・
ツキンとこめかみに鋭い痛みが走り、思わず私は額に手をやった。そんな私の様子に気づかないのか、有本さんが笑い声を上げた。
「でもさ〜こういうのっていつも思うんだけどさ、『一生目が覚めません』ってところでおかしいって思うじゃん?だって、それならどうして『夢の中で不思議なお店に行った』ってことがわかるんだい、って話よね」
きゃははは・・・という軽い笑い声を聞いた瞬間、私は、我に返ったかのように、『あれ?今自分が何を考えていたんだっけ・・・』と思っていた。
なにか大事なことを思い出しそうになった気がしたのだけど・・・。
でも、その思いはまるで、水に書かれた文字のように掴みどころもなく、あっという間にどこかにいってしまった。
「お!朝比奈くん・・・だいぶ復活したみたいだな?」
外回りから帰ってきたらしい佐久本さんが声をかけてきた。傍らには、今日のパートナーなのだろう、私の一つ上の先輩である宮崎くんがいた。
「ええ、お陰様で・・・。今日は同行できずに残念でした」
「ああ、まあいいって。そのうち、専属の顧客ができれば、体調不良なんて言ってられなくなるからな。今のうちだけだからさ。新人の内は甘えていいんだって」
「すいません・・・本当に」
「あ、でも、元気になったんなら、午後一は昨日の続き、できるか?」
確かに昨日の指導は途中だったなと思い出した。私が『はい』と頷くと、佐久本さんは、今日の営業レポートの作成を宮崎くんに命じて、午後に私のために時間を取ると言ってくれた。
彼女が語ったのは次のような話だった。
曰く、ある人が夢の中で不思議なお店にたどり着いたという。そのお店には夢が売っているのだけど、もしそこで『夢』を買うと言ってしまうと、その夢に囚われてしまう・・・。
「たった一言、夢を買います、と言ったが最後、その人は一生、悪夢の世界に閉じ込められちゃうんだって」
悪夢に閉じ込められると聞いて、この間のなんとも言えない恐ろしい夢と、そしてなぜだか昨日のストーカー男を思い出してしまい、私は背筋に寒いものを感じた。
そう言えば、以前に不思議な扉をくぐって何かのお店に入った・・・夢を・・・私も・・・見た・・・?
ジジジジ・・・ジジ・・・
ツキンとこめかみに鋭い痛みが走り、思わず私は額に手をやった。そんな私の様子に気づかないのか、有本さんが笑い声を上げた。
「でもさ〜こういうのっていつも思うんだけどさ、『一生目が覚めません』ってところでおかしいって思うじゃん?だって、それならどうして『夢の中で不思議なお店に行った』ってことがわかるんだい、って話よね」
きゃははは・・・という軽い笑い声を聞いた瞬間、私は、我に返ったかのように、『あれ?今自分が何を考えていたんだっけ・・・』と思っていた。
なにか大事なことを思い出しそうになった気がしたのだけど・・・。
でも、その思いはまるで、水に書かれた文字のように掴みどころもなく、あっという間にどこかにいってしまった。
「お!朝比奈くん・・・だいぶ復活したみたいだな?」
外回りから帰ってきたらしい佐久本さんが声をかけてきた。傍らには、今日のパートナーなのだろう、私の一つ上の先輩である宮崎くんがいた。
「ええ、お陰様で・・・。今日は同行できずに残念でした」
「ああ、まあいいって。そのうち、専属の顧客ができれば、体調不良なんて言ってられなくなるからな。今のうちだけだからさ。新人の内は甘えていいんだって」
「すいません・・・本当に」
「あ、でも、元気になったんなら、午後一は昨日の続き、できるか?」
確かに昨日の指導は途中だったなと思い出した。私が『はい』と頷くと、佐久本さんは、今日の営業レポートの作成を宮崎くんに命じて、午後に私のために時間を取ると言ってくれた。

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