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淫夢売ります
第54章 斜陽の楽園:繰り返す悪夢
「こっちの数字は?」
尋ねると、どうやら私が指さしたところがよく見えなかったようで、ぐっと背後から覆いかぶさるようにしてきた。
ふわりと、爽やかなシトラスの香りが漂ってくる。女性社員からも好評な、彼がいつも身にまとっている香り・・・なんだか、大人の男、という感じがする。
「ああ、これ・・・これはな」
画面の数値を説明するために、佐久本さんがひょいと身をかがめるようにした。その時、なにか不意にくらり・・・とめまいに似た感覚が私を襲った。
なんだろう・・・この鼻先にこびりつくような甘ったるい匂い。
佐久本さん?それとも、違うところから匂ってくるの?
確かめるように少し大きく息を吸った時、何故かわからない不思議な怖気が私を襲った。
え・・・?何?
そう思った時、耳の奥に、微かに古い蛍光灯が鳴るような音がした。
ジジ・・・ジジジ・・・
咄嗟に耳を押さえる。
「・・・朝比奈くん?」
「あ、いえ! すみません」
あれ?・・・耳鳴り・・・かな?
気がついたときにはめまいに似た感覚も、耳鳴りのような音も、どこかにいってしまっていた。私がぼーっとしているように見えたのかもしれない。佐久本さんが『無理しないでね』と優しく微笑んでくれた。
「ちゃんと寝てんのか?顔色、少し悪いぞ」
気遣ってくれているのだろう、そっと佐久本さんが私の肩に手を触れる。どうしたんだろう・・・なんだか、身体が少し重い感じだ。
「いえ・・・大・・丈夫です・・・あ、そろそろ次の外回りに行く準備しますね」
なんとなく居心地が悪くなった私は、少し早いのだが、営業に出向くための資料を準備するべく立ち上がった。
眠れてるし、体調も問題はない。悩み事ももうないはずだ。
なのになんだろう・・・さっきから感じている、この胸の奥にあるザワザワとした感覚は。
ジジジジ・・・ジジ・・・
また、耳鳴りが始まる。それは次第に強くなっていく。そしてとうとう、目の前がくるりと回るような感覚に襲われた。足に力が入らなくなり、私はふらりとしゃがみ込んでしまった。
「朝比奈くん!」
「朝比奈!」
周囲の同僚、上司たちが駆け寄ってくる。なんでもないと言って立ち上がろうとしたが、やっぱりダメだった。もう一度しゃがみ込んでしまった私は、ついに係長から医務室に行くよう命じられてしまった。
尋ねると、どうやら私が指さしたところがよく見えなかったようで、ぐっと背後から覆いかぶさるようにしてきた。
ふわりと、爽やかなシトラスの香りが漂ってくる。女性社員からも好評な、彼がいつも身にまとっている香り・・・なんだか、大人の男、という感じがする。
「ああ、これ・・・これはな」
画面の数値を説明するために、佐久本さんがひょいと身をかがめるようにした。その時、なにか不意にくらり・・・とめまいに似た感覚が私を襲った。
なんだろう・・・この鼻先にこびりつくような甘ったるい匂い。
佐久本さん?それとも、違うところから匂ってくるの?
確かめるように少し大きく息を吸った時、何故かわからない不思議な怖気が私を襲った。
え・・・?何?
そう思った時、耳の奥に、微かに古い蛍光灯が鳴るような音がした。
ジジ・・・ジジジ・・・
咄嗟に耳を押さえる。
「・・・朝比奈くん?」
「あ、いえ! すみません」
あれ?・・・耳鳴り・・・かな?
気がついたときにはめまいに似た感覚も、耳鳴りのような音も、どこかにいってしまっていた。私がぼーっとしているように見えたのかもしれない。佐久本さんが『無理しないでね』と優しく微笑んでくれた。
「ちゃんと寝てんのか?顔色、少し悪いぞ」
気遣ってくれているのだろう、そっと佐久本さんが私の肩に手を触れる。どうしたんだろう・・・なんだか、身体が少し重い感じだ。
「いえ・・・大・・丈夫です・・・あ、そろそろ次の外回りに行く準備しますね」
なんとなく居心地が悪くなった私は、少し早いのだが、営業に出向くための資料を準備するべく立ち上がった。
眠れてるし、体調も問題はない。悩み事ももうないはずだ。
なのになんだろう・・・さっきから感じている、この胸の奥にあるザワザワとした感覚は。
ジジジジ・・・ジジ・・・
また、耳鳴りが始まる。それは次第に強くなっていく。そしてとうとう、目の前がくるりと回るような感覚に襲われた。足に力が入らなくなり、私はふらりとしゃがみ込んでしまった。
「朝比奈くん!」
「朝比奈!」
周囲の同僚、上司たちが駆け寄ってくる。なんでもないと言って立ち上がろうとしたが、やっぱりダメだった。もう一度しゃがみ込んでしまった私は、ついに係長から医務室に行くよう命じられてしまった。

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