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淫夢売ります
第42章 淫らな選択:燃える身体
☆☆☆
ハッとして目を覚ます。

カタン、カタン、
カタン、カタン・・・

どうやら電車に乗っているようだった。座席に腰おろしている。膝の上にはいつもの通勤で使っているバッグ。その上にはカバーを掛けた文庫本があった。左手の親指がページに挟まったままであるところを見ると、先程まで文庫を読んでいて、寝落ちしたところなのだろうと判断する。

あれ?私、どこに行くんだっけ?
にわかに自分がどこにいるのか、どこに行こうとしているのかがわからない。

目の前にはたくさん立っている人がいて、窓の外が見えない。そして、左右は割と大柄な男の人に挟まれていて、後ろを振り返るのもなんとなくままならない状況だった。

どうしよう、そんな風に思った時、

「ん・・・っ!」

どこからか、くぐもったような声がした。次いで、ぴちゃ、とか、ぬちゃ、とか、そんな感じの音も聞こえてくる。

え?何?

見ると、目の前の男性二人の体の隙間から、その向こう側を垣間見ることができた。


・・・っ!?

そこに見える光景に、私は目を疑う。どうやら、私の目の前の二人の男性の背後に小柄な女性がいるようだった。そして、その女性を取り囲むように3人の男性が立っている。私が驚いたのは、その女性の白いブラウスが開けられ、ブラジャーはたくし上げられ、胸がこぼれていたからだ。右から、左から男性のものと思われる大きな手がその柔らかそうな乳房を揉みしだき、乳首をくりくりとつまみ、ひっぱり、引っ掻いていた。少ししか見えないが、口元にも男性の手が当てられ、声が出せないように指を咥えさせられていた。

まるで、あの『夢』の中の写真の情景のようだった。

ゴクリと息を呑む。私の目は張り裂けんばかりに大きく見開かれ、何度生唾を飲んでも、足りないほど、口の中はカラカラに渇いていた。一瞬の内に顔は紅潮し、手と足はカタカタと震えていた。

凌辱されている・・・

まさにあの小説にあった『凌辱』という言葉がぴったりだった。大勢がいるところで性的に弄ばれている。乳房は桜色に発色し、女性の身体が否応なく高められていることを周囲に知らせてしまう。
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