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淫夢売ります
第42章 淫らな選択:燃える身体
今回母が送ってきたのは、代議士の息子の写真だった。今は議員秘書をしているということだが、将来はおそらく政治家。多分、結婚したら、私は専業主婦で、1〜2年で子どもを産んで、毎日を家で夫と子どもの帰りを待って過ごす。たまに選挙のときは、母のようにパーティの準備をしたり、支援者さん達に挨拶をしたり・・・

想像はつく。つきすぎるくらいについてしまう。

「結婚」

口に出してみると、なにか胸の奥がざわりとした。それは期待、なのか、不安、なのか、それともその両方なのだろうか、そんなことを考えていた。

ああ、なんだか、どっと疲れてしまった。

母は嫌いではない。でも、何故か話をすると疲れるのだ。そして、父と話すのはもっと疲れる。ふたりとも私のことを考えてくれているのはわかるし、こんな気持になってはいけないと思うのだが、やはり、身体はそんなふうに反応してしまう。

・・・身体が欲していること・・・身体の・・・欲望・・・?

胸がもやもやしていた。
頭がなにかスッキリしない。
チリチリと脳の真ん中が痺れるみたいで、落ち着かない。

このままじゃ眠れない・・・かも・・・

ちらりと棚に目をやる。

あのカードを敷いたら・・・どうかしら?

いつもと違うことをしてみたら、すっと眠れるような、そんな気もした。数秒悩む。
そして、悩んだ挙げ句、ついに私はカードを手に取った。

すっと、枕の下に敷いて、そこに頭を載せた。電気を消して目を閉じる。幸いなことに、カードを敷いたことが気になりすぎて、かえって母とのことは頭の中から追い出されてしまっていたみたいだった。

本当に夢が見られるのかしら?
どんな夢が?
私の身体の中の・・・って・・・なに・・・が・・・

そのあたりで、私の意識はすーっと闇に溶けていった。
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