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淫夢売ります
第42章 淫らな選択:燃える身体
これらを頭と身体から追い出してしまいたかった。
しかし、いくら熱い湯を浴びても、それは叶わない。頭の中にイメージが何度も何度も再生され、女の声が耳元でリフレインする。流しても流しても、私の陰唇はいやらしい女の蜜を吐き出し続けてしまう・・・

ダメ・・・ダメなのに・・・

体が熱い。それはシャワーの熱さとは違う。身体の中から燃え上がるような熱感だった。この熱をどうしたらいいか、私には分からなかった。

早く、寝よう。

明日も仕事だ。少し遅めでもいいとは言え、起きていかなければならない。いつまでもこうしてはいられない。

結局、頭の芯がボーッとした状態のまま、のろのろと私はバスタオルで体を拭く。新しいショーツとブラを出して身につけ、再び眠るための準備を整えた。

カード・・・取り出しておかなきゃ

またあのカードを敷いて寝たら元の木阿弥だ。
もう、二度とあのカードを使うのはやめよう、そう思っていた。

枕の下に入れたはず・・・そう思い、手を差し入れ、右に左に動かしてみるが、あの厚手のカードの感触がない。

なんでだろう、と思った矢先、指先に触れるものがあった。
カードじゃない・・・なに?紙?

私は枕の下にあったそれをつまんで引っ張り出す。それは折りたたまれたメモ用紙に見えた。

これって・・・

その紙を開いた時、私の背筋がゾクリと震えた。

『杉村 090‐◯◯☓☓‐△△▼▼』

それは、見間違うはずがない。夢の中で杉村に渡されたメモだった。しかし、一点違うことがある。それは夢の中では名前と電話番号だけだったのに、今はこう書き足されていたのだ。

『沢渡時子さんへ』

なんで・・・?

この瞬間、私は悟った。
カードがない。代わりに夢の中で渡されたはずのメモがある・・・。

そう、私はまだ目覚めていない。
淫夢に囚われたまま、だったのだ。
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