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淫夢売ります
第35章 鎖とドレス:心の鎖

ここはどこだろう?
周りは暗く、入り組んだ路地だった。高いビルは見えるのだが、どれもこれも同じように見えて目標になり得ない。これは本格的に迷ったかな・・・そう思い、地図アプリでも立ち上げようか、とスマホを取り出した矢先、眼前の建物が目に入った。
重そうな木の扉がオレンジ色の暖かな光に照らされていた。
扉には同じく木で作られた札が掛けられていて、そこには『Oniromancie Morphée』とあった。一体どういう意味だろう、と好奇心にかられて、スマホの翻訳アプリで写真を撮影して翻訳してみると、
『モルフェウスの夢占い』
と表示された。モルフェウスというのは、『ギリシャ神話に登場する夢の神』だそうだ。要は占いの店、ということだろうか?
看板がかかっているところを見ると営業しているらしい。
色んな意味で道に迷ってしまっている自分の目の前に、占いの店が姿を現す。
変な偶然だな、と自嘲的に笑ってしまった。
笑ったついでに、酔った勢いもあり、僕はその扉を開いていた。
カラン、と鈴が軽やかに鳴る。どうやら扉に鈴がついていて、客が来ると鳴る仕組みになっているようだった。店内には天井から幾重にもビロードのような黒い布が垂れ下がっており、少し薄暗い。そこここに星や月をモチーフにした銀の装飾品が下げられていて、神秘的な様相を見せていた。玄関間口から予想される通り、店内は奥行きはあるようだが、横幅は狭く、占い関係の商品が展示されているガラスのショーケースが窮屈そうに据えられていた。
「どうぞ、奥にいらしてください」
女性の声がした。どうやら奥に下げられている暗幕の向こうも店の続きのようだ。そちらに来い、ということのようだった。仕切りに使っているだろう、その幕をめくって中を除いてみた。
暗幕の向こうもそれほど広いものではなく、4畳ほどのスペースに机がひとつ、棚がひとつ、机の手前に丸椅子がひとつ。
そして、机の向こうには女性がひとり座っていた。
周りは暗く、入り組んだ路地だった。高いビルは見えるのだが、どれもこれも同じように見えて目標になり得ない。これは本格的に迷ったかな・・・そう思い、地図アプリでも立ち上げようか、とスマホを取り出した矢先、眼前の建物が目に入った。
重そうな木の扉がオレンジ色の暖かな光に照らされていた。
扉には同じく木で作られた札が掛けられていて、そこには『Oniromancie Morphée』とあった。一体どういう意味だろう、と好奇心にかられて、スマホの翻訳アプリで写真を撮影して翻訳してみると、
『モルフェウスの夢占い』
と表示された。モルフェウスというのは、『ギリシャ神話に登場する夢の神』だそうだ。要は占いの店、ということだろうか?
看板がかかっているところを見ると営業しているらしい。
色んな意味で道に迷ってしまっている自分の目の前に、占いの店が姿を現す。
変な偶然だな、と自嘲的に笑ってしまった。
笑ったついでに、酔った勢いもあり、僕はその扉を開いていた。
カラン、と鈴が軽やかに鳴る。どうやら扉に鈴がついていて、客が来ると鳴る仕組みになっているようだった。店内には天井から幾重にもビロードのような黒い布が垂れ下がっており、少し薄暗い。そこここに星や月をモチーフにした銀の装飾品が下げられていて、神秘的な様相を見せていた。玄関間口から予想される通り、店内は奥行きはあるようだが、横幅は狭く、占い関係の商品が展示されているガラスのショーケースが窮屈そうに据えられていた。
「どうぞ、奥にいらしてください」
女性の声がした。どうやら奥に下げられている暗幕の向こうも店の続きのようだ。そちらに来い、ということのようだった。仕切りに使っているだろう、その幕をめくって中を除いてみた。
暗幕の向こうもそれほど広いものではなく、4畳ほどのスペースに机がひとつ、棚がひとつ、机の手前に丸椅子がひとつ。
そして、机の向こうには女性がひとり座っていた。

