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第33章 仮面の夜会：ギニョール

自らのいやらしい妄想を言い当てられたような気がして、顔が上気するのを感じる。
「いや・・・あ・・・」
すでに、口の中はカラカラで、言葉がスムーズに出てこない。ファイの右手が私の手から更に足の方に伸びてくる。ついにスカートの上から太ももをそっと撫でられるまでになってしまうが、私はそれを拒むことができなくなっていた。

私が拒絶しないのを『了承』のサインと受け取ったのか、ファイの手は更に大胆になってきた。右手はスカートをたくし上げ、太ももを直接撫でてきていたし、左手はバストを包み込むようにしてきていた。

「はあ・・ん♡」

声が湿り気を帯びてくる。太ももを撫でている右手がゆっくりゆっくりと自分の秘所に近づいてきているのがわかる。嫌なら足を閉じれば良いのだが、むしろ足がゆっくりゆっくと自分の意志に反して・・・いや、欲望に従って開いていくのを感じていた。

「トワノン・・・その口布、取ることができますよね？トワノンの口元を・・・もっとよく見たいです」

ファイに言われて、私は熱に浮かされたように、口布を外してしまう。赤いルージュを引いた唇が顕になる。

「ぷっくりとしたいい形の唇です・・・興奮している証拠ですね・・・濡れてますよ、口元も」

そう・・・そのとおりだ。多分私は、興奮のあまり、何度も舌で唇を舐めていたのだ。そのせいで、唇は淫らにぬらぬらと濡れているに違いない。ファイの唇が近づいてくる。先程のんだカクテルの匂いか、甘いアルコールの香りが漂ってくる。

「キスを・・・してもいいですか？」
口元で囁かれ、ドキンと胸が跳ねあがる。

「あ・・・うぅ・・・」
やはり言葉にならない。もう、ピスケスやセルヴァを見ている余裕はなかった。ファイの指先や唇が与えてくる官能に身体が溶けそうになる。

ゆっくりと首が縦に動く。それを合図に、ファイの舌が私の唇の際をなぞるように舐めてきた。

「ふふ・・・熟れた唇・・・きれいですよ。トワノン・・・」
唇が開いてしまう。体に・・・心に、ファイを受け入れていく。受け入れていってしまう。
右手の指先は、もうパンティの際にたどり着いていた。そこをそっとなぞられながら、唇が奪われていく。

深く、淫らな・・・まるで口を犯されているような・・・
そんなキス