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The Bitch (ザ、ビッチ)
第8章 エピローグ  『わたしの好きに...』
 15

 ちょうど、お客様の来店によるタイミングで、そんな麻妃ちゃんとの会話は終わった…
 だが、わたしの心の奥深くでは、微かな騒めきが蠢いていた。

「あ、そうだ、わたし、お客さんとカラオケの約束があったんだっけ…
 じゃ、悠里さんまたね」
 すると、このタイミングで麻妃ちゃんはそう明るく告げて店を出ていってしまう。

「あ、彩ちゃん、マティーニちょうだい」
 手持ちぶさたになってしまったわたしは、もう一杯のカクテルを頼む。

「はい…どうぞ」
 そして彩ちゃんは手際よく、ドライマティーニを作り、スッとカウンターに置きながら…
「そういえば昨夜もこのマティーニが、ううん、この飾りのオリーブがきっかけでしたね」
 と、笑みを浮かべながら、そう言ってくる。

「え、あ、うん、そうだったわね」
 
 そう、それは、オリーブを先に頬張るわたしのクセがきっかけともいえた…

「あ、そういえば…
 また、彼が来たらどうします?」
 彩ちゃんは、そう、意味深な笑みで訊いてきた。

「え、うーん、どうしようかなぁ?」

 確かに彩ちゃんの言葉には一理ある、いや、多分彼は、また再び来店するだろう…
 なんとなく、そんな気がする。

 だって…
 過去にあしらった何人かのオトコたちは、懲りずにまた来店してきていたから。

「………うん、なんか、いい男だったから、もう一度だけ遊んでみようかなぁ…
 それに、もう、彼のどエムで超ハイヒールフェチも分かっちゃったから」
 と、わたしは、少し笑いながらそう呟く。

「うわぁ、さすが悠里さんだわぁ…
 とりあえず、かなりビッチさが戻ってきましたねぇ」

「え、あ…うん、ま、いつまでも……じゃねぇ…
 それに、ほら………」

 そろそろビッケの代わりを見つけないとさぁ……

 わたしは、そう、彩ちゃんに囁いた。

 これは本音でもあり……

 精一杯の見栄でもあった……

 だって、まだ…

 心の奥深くに蠢く騒めきと、小さな穴は塞がってはいないから…
 でも、この彩ちゃんには…

 ううん、この彩ちゃんの前では…

 ビッチなクソオンナというわたしを…

 わたしのビッチという仮面は…

 まだ…

 外せない、いや、外したくはないから………





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