この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
The Bitch (ザ、ビッチ)
第8章 エピローグ  『わたしの好きに...』
19
 
 昨夜の彼のフェチに、濡れた憧憬の目は、ただハイヒールとストッキングというフェチの対象が違うだけの…
 まるで和哉が、わたしの象徴であるストッキングという存在そのものを愛で、憧憬してきたあのフェチな欲情の目と同じ。

 そして…
『わたしだったら舐めちゃうのにぃ…』
 という麻妃ちゃんの言葉は、無言のままに嬉々として、進んでストッキングの爪先を舐め、しゃぶってくる和哉の心の愉悦の慟哭そのもの。

 あぁ、和哉に逢いたいよぉ…
 抱かれたいよぉ…
 愛されたいよぉ…
 わたしは心の中で叫ぶ。

 もしかしたら、昨夜、ガマンして、あの彼に抱かれたならば、少しは忘れられたのかもしれない…
 もしかしたら、さっきの麻妃ちゃんをもっと強く誘い、禁断の快感に陥ったならば、気持ちが紛れたのかもしれない…………のに。

「えっ、ううぅ、うっ……」
 
 未練の涙が、一気に零れ、溢れだす。

「えっ、ええ、ひ、ひん、ううぅ…」

 嗚咽が…
 慟哭が…
 涙が…………止まらない。

 ここはわたしの家…
 誰も、誰にも、涙は、この泣き声は…
 泣き顔は知られない。

 我慢なんてする必要はないんだ…

 ガマンなんて……

 ビッチの仮面はこの家の中には……ない。

「ひっ、ひん、えっ、ううぅ、うわぁぁ……」

 今日だけ…

 今夜だけ…

 泣くのは今夜だけ……

「ひっ、ひん、ひん………………………」




「………………ん…………ぁ……あぁ………」

 窓から差し込む朝日の光りに…
『あ…寝て……………寝ちゃったのか?』
 わたしは目覚め、ゆっくりと目を開ける。

 だが…
 泣き過ぎて、泣き腫らした目が痛い。

 痛い…
 それは心の痛みでもあった。

「………ん、んん………」
 ゆっくりと寝返りをうつと…

「あっ…」
 姿見に写る自分の姿に…
 その姿と醜さに、一気に意識が覚醒する。

 ぐしゃぐしゃの寝ぐせの髪…
 泣き腫らしたひどい瞼…
 涙で崩れ、ブサイクな化粧…
 そして、ビリビリに破けているストッキング。

 まるで醜いオンナの姿……そのもの。
 

 あぁ、なんてブス…

 なんて………キモいの…

 自分のこのボロボロで、醜い姿に辟易としてしまう。

 なにが…
 こんなに醜くてなにが、ビッチよ…

 そしてこの醜くさに絶望してしまう…



/208ページ
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ