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The Bitch (ザ、ビッチ)
第8章 エピローグ  『わたしの好きに...』
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「………………………て、ことがあったのよ…」

「うわぁ、きゃぁ、そうだったんですかぁ」

「うん…そう……」
 わたしは次の夜『Bar Bitch』で、あのどエムなハイヒールフェチの彼との、一夜の流れを話していた。

「うわぁ、さすが悠里さんのビッチぶりは健在ですねぇ」
 すると…
 常連のキャバ嬢である非番の麻妃ちゃんが、そう言ってくる。

 ビッチぶりが健在か…

 わたしはその麻妃ちゃんの言葉に、ようやく自分があのビッケショックを乗り越えられたのだ、と自覚できた。

「あぁ、だからかぁ、昨夜、うーんと、あの二時間後くらいかなぁ?
 あの彼が、慌てた感じで店に入ってきたんですよぉ…
 今、意味がわかりましたぁ」
 と、彩ちゃんは、わたしに意味ありげな目を向けて、そう言ってくる。

「え、昨夜、あのあと来たんだぁ?」

「はい…でもぉ、店の中をチラっと一瞥して、黙って帰っていきましたけどねぇ…
 だからぁ、きっと何かはあったんだなぁっては思ったんですけどぉ…
 そんな感じだったなんてぇ」
 と、彩ちゃんはなんとなく会心の笑顔を浮かべて、そう言ってきた。

 そう言う彩ちゃんだって、自分のBARにビッチなんて名付けるくらいなのだから、もしかしたら本当はわたし以上にビッチ要素が満載に隠れ、隠している可能性がたっぷりなのだ…

「ほら、だってぇ、悠里さんに逃げられちゃった訳なんだからぁねぇ…
 さすがに彩さんにも訊けなかったんでしょうしねぇ」
 そして続けて麻妃ちゃんが、まるでわたしの代弁の様に、そう話してくる。

「そりゃそうよねぇ…
 ハイヒールで弄られてイッちゃってぇ、挙げ句に逃げられちゃったなんてさぁ、さすがにカッコ悪くてねぇ…」
 彩ちゃんが愉快そうに笑う。

「もぉさすがビッチ悠里さんですよぉ…
 わたしリスペクトっす」
 そんな麻妃ちゃんの言葉に彩ちゃんは頷き、チラとわたし目で語りかけてきた。

 もう大丈夫みたいですね……と。

「……………」
 それにわたしは、黙って頷き、応える。

 もう大丈夫…

 多分、大丈夫……と。


 でも…

 本当は、まだ………

 心の奥深くに、かなり小さくはなったのだが……

 まだまだ……

 心に開いた穴が………

 その穴は完全には塞がってはいない…

 まだ……………。
 



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