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The Bitch (ザ、ビッチ)
第8章 エピローグ 『わたしの好きに...』
13
「………………………て、ことがあったのよ…」
「うわぁ、きゃぁ、そうだったんですかぁ」
「うん…そう……」
わたしは次の夜『Bar Bitch』で、あのどエムなハイヒールフェチの彼との、一夜の流れを話していた。
「うわぁ、さすが悠里さんのビッチぶりは健在ですねぇ」
すると…
常連のキャバ嬢である非番の麻妃ちゃんが、そう言ってくる。
ビッチぶりが健在か…
わたしはその麻妃ちゃんの言葉に、ようやく自分があのビッケショックを乗り越えられたのだ、と自覚できた。
「あぁ、だからかぁ、昨夜、うーんと、あの二時間後くらいかなぁ?
あの彼が、慌てた感じで店に入ってきたんですよぉ…
今、意味がわかりましたぁ」
と、彩ちゃんは、わたしに意味ありげな目を向けて、そう言ってくる。
「え、昨夜、あのあと来たんだぁ?」
「はい…でもぉ、店の中をチラっと一瞥して、黙って帰っていきましたけどねぇ…
だからぁ、きっと何かはあったんだなぁっては思ったんですけどぉ…
そんな感じだったなんてぇ」
と、彩ちゃんはなんとなく会心の笑顔を浮かべて、そう言ってきた。
そう言う彩ちゃんだって、自分のBARにビッチなんて名付けるくらいなのだから、もしかしたら本当はわたし以上にビッチ要素が満載に隠れ、隠している可能性がたっぷりなのだ…
「ほら、だってぇ、悠里さんに逃げられちゃった訳なんだからぁねぇ…
さすがに彩さんにも訊けなかったんでしょうしねぇ」
そして続けて麻妃ちゃんが、まるでわたしの代弁の様に、そう話してくる。
「そりゃそうよねぇ…
ハイヒールで弄られてイッちゃってぇ、挙げ句に逃げられちゃったなんてさぁ、さすがにカッコ悪くてねぇ…」
彩ちゃんが愉快そうに笑う。
「もぉさすがビッチ悠里さんですよぉ…
わたしリスペクトっす」
そんな麻妃ちゃんの言葉に彩ちゃんは頷き、チラとわたし目で語りかけてきた。
もう大丈夫みたいですね……と。
「……………」
それにわたしは、黙って頷き、応える。
もう大丈夫…
多分、大丈夫……と。
でも…
本当は、まだ………
心の奥深くに、かなり小さくはなったのだが……
まだまだ……
心に開いた穴が………
その穴は完全には塞がってはいない…
まだ……………。
「………………………て、ことがあったのよ…」
「うわぁ、きゃぁ、そうだったんですかぁ」
「うん…そう……」
わたしは次の夜『Bar Bitch』で、あのどエムなハイヒールフェチの彼との、一夜の流れを話していた。
「うわぁ、さすが悠里さんのビッチぶりは健在ですねぇ」
すると…
常連のキャバ嬢である非番の麻妃ちゃんが、そう言ってくる。
ビッチぶりが健在か…
わたしはその麻妃ちゃんの言葉に、ようやく自分があのビッケショックを乗り越えられたのだ、と自覚できた。
「あぁ、だからかぁ、昨夜、うーんと、あの二時間後くらいかなぁ?
あの彼が、慌てた感じで店に入ってきたんですよぉ…
今、意味がわかりましたぁ」
と、彩ちゃんは、わたしに意味ありげな目を向けて、そう言ってくる。
「え、昨夜、あのあと来たんだぁ?」
「はい…でもぉ、店の中をチラっと一瞥して、黙って帰っていきましたけどねぇ…
だからぁ、きっと何かはあったんだなぁっては思ったんですけどぉ…
そんな感じだったなんてぇ」
と、彩ちゃんはなんとなく会心の笑顔を浮かべて、そう言ってきた。
そう言う彩ちゃんだって、自分のBARにビッチなんて名付けるくらいなのだから、もしかしたら本当はわたし以上にビッチ要素が満載に隠れ、隠している可能性がたっぷりなのだ…
「ほら、だってぇ、悠里さんに逃げられちゃった訳なんだからぁねぇ…
さすがに彩さんにも訊けなかったんでしょうしねぇ」
そして続けて麻妃ちゃんが、まるでわたしの代弁の様に、そう話してくる。
「そりゃそうよねぇ…
ハイヒールで弄られてイッちゃってぇ、挙げ句に逃げられちゃったなんてさぁ、さすがにカッコ悪くてねぇ…」
彩ちゃんが愉快そうに笑う。
「もぉさすがビッチ悠里さんですよぉ…
わたしリスペクトっす」
そんな麻妃ちゃんの言葉に彩ちゃんは頷き、チラとわたし目で語りかけてきた。
もう大丈夫みたいですね……と。
「……………」
それにわたしは、黙って頷き、応える。
もう大丈夫…
多分、大丈夫……と。
でも…
本当は、まだ………
心の奥深くに、かなり小さくはなったのだが……
まだまだ……
心に開いた穴が………
その穴は完全には塞がってはいない…
まだ……………。

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