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千一夜
第53章 第七夜 幻界の扉
菅野は私たちに部屋の中で朝食を取ることが出来るように手配してくれた。
「クロワッサンもオムレツもみんな美味しいわ。さすが大帝ホテルね」
「コーヒーも美味い」
「ねぇ、このまま私たちの街に帰らない?」
「……」
私もそうした方がいいと思っている。
「でもわざわざ大学まで行ったんだから沢田さんの実家には行った方がいいのかな?」
「実家は日野だったっけ?」
「そう、日野市」
「だったら時間はそんなにかからない。昼前には終わるだろうし、夕方には街に帰ることができる」
「じゃあ食事を済ませて少し休んだら出かけましょ」
「ああ、それにしても君は素晴らしい仕事をしてくれた」
「私たちが罪に問われることはないわよね?」
「学生時代、咲子と沢田絵里が友人だったと言うことを除けば、俺たちは一つも嘘は言っていない。君の名刺は本物だし、咲子はF学院のOGだ。OGが就職説明会に出てくれと母校に頼んでいるんだ」
「気分は晴れないんだけど」
「我慢してくれ」
「まさか亮ちゃん、私の後輩を社員のお嫁さん候補にしようとしているわけじゃないわよね?」
「俺と遠山機械工業には何の繋がりもない。繋がりがないのに口は出せない。それにお嫁さん候補っていつの時代の言葉だよ」
「だったらいいんだけど」
「面倒なことが一つある」
「ああキャリーケースとかよね」
私たちは大帝ホテルに宿泊する予定ではなかった。つまり別のホテルに私たちの荷物がある。
「タクシーで行くか?」
「そうね」
私たちはチェックアウトのためにホテルのフロントに向かった。フロントの前で菅野が立っていた。
「ゆっくり休めたか?」
「ああ、最高のホテルだ」
「当り前だ」
「素敵なお部屋でした。ありがとうございました」
咲子がそう言って菅野に頭を下げた。
「ありがとうございます。是非またお越しください。お待ちしております」
菅野は私ではなく咲子に頭を下げた。
「ありがとうございます」
「来月待っているぞ」
「四人揃って行く、いや八人か」
「期待はするな。東京と違って田舎だ」
「ははは。あっ、そうだ、外で車が待ってる」
「タクシーを呼んでくれたのか?」
「東京でも黒のレクサスLSのタクシーを呼ぶのは難しい。行けばわかるさ」
ひょっとしたら……。
「世話になったな、ありがとう」
「またのお越しをお待ちしております」
菅野がそう言った。
「クロワッサンもオムレツもみんな美味しいわ。さすが大帝ホテルね」
「コーヒーも美味い」
「ねぇ、このまま私たちの街に帰らない?」
「……」
私もそうした方がいいと思っている。
「でもわざわざ大学まで行ったんだから沢田さんの実家には行った方がいいのかな?」
「実家は日野だったっけ?」
「そう、日野市」
「だったら時間はそんなにかからない。昼前には終わるだろうし、夕方には街に帰ることができる」
「じゃあ食事を済ませて少し休んだら出かけましょ」
「ああ、それにしても君は素晴らしい仕事をしてくれた」
「私たちが罪に問われることはないわよね?」
「学生時代、咲子と沢田絵里が友人だったと言うことを除けば、俺たちは一つも嘘は言っていない。君の名刺は本物だし、咲子はF学院のOGだ。OGが就職説明会に出てくれと母校に頼んでいるんだ」
「気分は晴れないんだけど」
「我慢してくれ」
「まさか亮ちゃん、私の後輩を社員のお嫁さん候補にしようとしているわけじゃないわよね?」
「俺と遠山機械工業には何の繋がりもない。繋がりがないのに口は出せない。それにお嫁さん候補っていつの時代の言葉だよ」
「だったらいいんだけど」
「面倒なことが一つある」
「ああキャリーケースとかよね」
私たちは大帝ホテルに宿泊する予定ではなかった。つまり別のホテルに私たちの荷物がある。
「タクシーで行くか?」
「そうね」
私たちはチェックアウトのためにホテルのフロントに向かった。フロントの前で菅野が立っていた。
「ゆっくり休めたか?」
「ああ、最高のホテルだ」
「当り前だ」
「素敵なお部屋でした。ありがとうございました」
咲子がそう言って菅野に頭を下げた。
「ありがとうございます。是非またお越しください。お待ちしております」
菅野は私ではなく咲子に頭を下げた。
「ありがとうございます」
「来月待っているぞ」
「四人揃って行く、いや八人か」
「期待はするな。東京と違って田舎だ」
「ははは。あっ、そうだ、外で車が待ってる」
「タクシーを呼んでくれたのか?」
「東京でも黒のレクサスLSのタクシーを呼ぶのは難しい。行けばわかるさ」
ひょっとしたら……。
「世話になったな、ありがとう」
「またのお越しをお待ちしております」
菅野がそう言った。

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