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千一夜
第53章 第七夜 幻界の扉
「とても楽しそうなお電話でしたね」
「楽しい?」
 咲子はずっと私と後藤の電話に聞き耳を立てていたようだ。
「銀座とか、キャバクラとか、そうそう、おねーちゃんなんて言葉も聞こえましたが」
「冗談を言ったんだよ。咲子だって知ってるだろ? 俺はもてない。俺がキャバクラに行ったのだって三年前」
「三年前には行ったんだ?」
「行きましたよ。でもね、役所の職員じゃもてないんですよ。とても悲しい現実です。神に誓います。私は嘘など言っていません。これで許してください」
「亮ちゃん、動揺していない?」
「動揺なんてしてないよ。そんなことより金曜日に君を連れて東京に行かなければならなくなったんだ。大学時代のゼミの仲間に誘われた。披露宴をしてくれるらしい」
「披露宴? そういうのは普通私たちが主催するんじゃないの?」
「まぁ、普通はそうだよな。でもあいつらの奢りだそうだ」
「奢り?」
「そう、奢り。断ると何かと面倒なんで行くと言ったよ」
 情報と引き換えだなんて咲子には言えない。
「場所は東京のどこ?」
「大帝ホテルだ」
「大帝ホテルってあの大帝ホテル?」
「そうだ、あの大帝ホテルだ。ホテルの総支配人の菅野はゼミの仲間だ」
「亮ちゃんさ、友達は少ないってよく言うけど、多いじゃん」
「今さっき電話していたのが後藤、そして名前が出た菅野とあとは林と高橋だ。後藤はY新聞編集局長で、林はシカゴコンサルティンググループの日本支社長。高橋はS大学の経済学部教授。つまり俺の友人はこの四人だけということになる」
「はぁ~、さすがK大学ね」
「そして俺は少し前まで街の統括課長。ていうか俺の友人関係なんて君は知っているだろ?」
「パパは調べたようだけど、私は興味なし。でも林さんという人、シカゴコンサルティンググループの人なの?」
「ああ、だから林に頼み事をしておいた」
「今頃?」
「お偉い人はなかなかつかまらないんだよ。ずっとアメリカ出張だったようだ。明日帰国するらしい」
「そうなの」
「木曜に出かけることにしよう。咲子にも頼んだことがあるし」
「了解」
「悪いな」
「何が?」
「君にはいろいろと我慢してもらってるからさ。事務所はこんなに小さくて、帰るところは俺の実家。気が休まらないだろ?」
「全然。みんな優しくしてくれるし、原町のおばあちゃんには会えるし、充実しているわよ」
「ならいいけど」
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