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千一夜
第53章 第七夜 幻界の扉
 香坂が帰り、私と咲子も家(現在は私の実家)に帰ろうとしているときだった。私のスマホが着信音を鳴らした。
「よう、長谷川」
 電話は後藤からだった。
「もう調べてくれたのか?」
「いいや」
「何だよ、まだなら電話なんていらないよ」
「長谷川、人にものを頼んでおいてそれはないだろ。今新聞屋は世間からオールドメディアだとかマスゴミって言われているんだ。何とも悲し時代だよ。でもな、俺はまだ自分を一流のジャーナリストだと思っている。一流のジャーナリストは部下に、仕事をほったらかしてでもお前の頼み事を優先してやれとは言わない。言えないんじゃなくて言わないんだ。わかるよな?」
「悪かったな」
 後藤の言う通りだ。新聞は私のためにあるものではない。
「だが心配するな。秋田支局には県北から中央、そして県南までしらみつぶしに調べろと命令した。迷子の猫探しなんて記事も俺に上がってくる。まぁ、長谷川が猫探ししてるとは思わないがな」
「すまんな、面倒かけて」
「その通りだ。本当に面倒なことをお前は言ってくれる。でな、借りは返せ」
「借り?」
「そう、借りだ」
「わかったよ。だが俺には金がない。お前に提供できるような情報も持っていない。情報があってもお前には話せない。話さないんじゃなくて話せないんだ」
「お前が貧乏なのは今に始まったことじゃない。お前の顔を三年見ていない。久しぶりに顔を見せに東京に出て来いよ」
「俺の顔より銀座のおねーちゃんの顔の方がいいだろう」
 銀座のおねーちゃんというワードに咲子がアンテナを張るのがわかった。
「当り前だ。長谷川、俺の夢は十人のおねーちゃんに最期を看取ってもらうことだ。どうだ? 悪くないだろ」
「アホだな」
「お前、林にも何か頼み事をしただろ?」
 林幸弘はシカゴコンサルティンググループの日本支社長だ。
「筒抜けだな」
「それも女だよな?」
「ああ」
「やめとけ。ようやくお前にも春が来たんだ。女にかかわるな。遠山からそっぽを向かれたらお前は生きていけない。お前は政治家だが、遠山の歯車になったんだ。不出来な歯車は簡単に交換される」
「俺は遠山の歯車になった覚えはない」
「お前になくても遠山にはあるんだ。林もお前と会って話したいはずだ。菅野と高橋も呼んででおく。東京には細君も連れて来いよ」
「銀座のクラブに咲子を連れてなんか行けない」
「心配するな」
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