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千一夜
第53章 第七夜 幻界の扉
「長谷川が悪代官に見えてきたんだけど」
「その通りだ。俺は今悪代官だよ」
「で、長谷川、どうやってアプローチしていけばいいの?」
「遠山機械工業の会社案内と咲子の名刺を印籠にする」
「はっ?」
 香坂が驚く。
「どういうこと?」
 咲子が私に訊ねた。
「遠山機械工業の会社説明会に参加して欲しいとF女学院に呼びかける」
「無理よ。技術系だけでなく事務系の総合職だって父の会社の説明会に参加する大学は決まっているわ」
「誰が決めたんだ?」
「学生自身よ。入社できない会社の説明会に誰が行くの? 時間の無駄よ。そんなのは学生自身が私たち以上に知っていることよ……まさか、私のコネで……。だめよ、父が許さないわ。亮ちゃん、知っているわよね。父はそういうところ厳しい人なの」
 遠山機械工業の社員全員が知っている話がある。
 遠山高獅が出た大学の就職課課長が、遠山機械工業を訪ねて来た。課長は遠山高獅にこう言った「是非うちの大学の学生をこちらの会社に」と。遠山高獅は課長の顔をじろりと見てこう答えた「君は学生を信じていないのか? そうだよな、信じていないからこんなところにのこのこやってくる。今君がしなければならないことはここに来ることじゃない。学生を信じることだ。私を見くびるなよ。君が何を期待しているのか容易に推察できるが、君は予習もせずにここに来た。私という人間を君は知らない。遠山機械工業が何を求めているのか君は知っているか? 答えられないよな。私が君だったら『失礼します』と言って十秒以内にこの部屋から出て行く。君、わかるよな。私は君にここから出て行けと言っているんだ」
 遠山機械工業に縁故入社はない。
「だったら、だったらうちの息子か娘を遠山機械工業に入れて、入れてください。頼みます、咲子さん、お願い」
 香坂が咲子に懇願した。
「正々堂々とESを出せばいい。遠山機械工業には学歴フィルターはない」
 咲子の代わりに私が答えた。
「出すのは簡単よ。でもね、その後の一般常識の試験に何で数Ⅲの問題を出すの? 理解できないんだけど。一般常識に数Ⅲが必要なの? あり得ません!」
「香坂、もうお前の家の話はいいよ」
「よくないわよ。長谷川だって解けないわよ、絶対にさ」
「解けるよ。数学は俺の得意の科目だ」
「腹が立つ!」
「気乗りはしないけどやってみるわ」
 咲子がそう言った。
 
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