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千一夜
第51章 第七夜 マスカレード
 駅舎を出ると二人の男が私たちを待っていた。一人は五十代半ばくらいの男、もう一人の男は二十代前半くらいに見えた。
「失礼ですが、長谷川さんでしょうか?」
 五十代の男が私の方を見てそう訊ねた。
「はい、長谷川です。そして私の妻の咲子です」
「長谷川咲子です」
 咲子はそう言うと深く頭を下げた。
「私、J〇角館の前原と申します。隣におりますのが、販売事業課の田中です」
「J〇角館の田中です」
 前原と田中はそう挨拶をすると、名刺を私と咲子に渡した。前原の名刺の肩書は販売事業課課長となっていた。
「申し訳ございません。今私名刺を持っておりません」
「香坂さんから伺ってます。長谷川さんは次の○○市の市長さんだと」
「いや、まだ選挙が終わってませんので、私が市長になるかどうかはわかりません」
 私は前原にそう言った。
「香坂さんが言ってましたよ。長谷川さんに選挙で勝てる相手がいないと」
 前原はそう続けた。
「いやいや、本当にまだ何もわからないんです。誰かが出る可能性がないわけではありませんから」
「なるほど。あっ、お疲れでしょ。車を用意してますので。田中君、長谷川さんの荷物を持ってあげて」
「はい」
「それには及びません」
「遠慮なさらずに」
「いやいや本当に大丈夫ですから」
 ボストンバックを持とうとする田中に私はそう言って断った。
「田中君、車をここまで持ってきて」
「はい」
 前原にそう言われた田中が、少し離れたところに止めてある白いカローラのバンに向かって走って行った。
 カローラのボディにはJ〇角館と書いてある。
 運転席から降りてきた田中は後部座席のドアを開けた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
 私と咲子はそう言って車に乗り込んだ。
 運転は田中、助手席には前原が座った。車がゆっくり発進した。
「十分くらいで到着します。みちのくの小京都何て言われてますが、ご覧の通りの田舎ですわ」
 前原が私たちに顔を向けてそう言った。
「自然に囲まれた素敵な街です。時間があれば後で妻と武家屋敷通りを散策したいと思っています」
「時間があればなんてそんな悲しいこと言わないでください。是非奥様と角館を楽しんでください。これも香坂さんから聞いたんですが、奥様のご先祖様はお武家さんだとか」
「私の先祖は平民ですが」
「長谷川さん、お気を悪くされたらすみません」





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